4月2日にローンチしたComet Lake-HシリーズのハイエンドCPU「Core i9-10980HK」は、同シリーズハイエンドらしいスペックを誇ります。しかし、消費電力面では残念な結果を出している報告が記事にされています。
Core i9-10980HKは、デスクトップ版Ryzen 9 3950Xより消費電力が高いという内容です。
According to a power draw comparison, Intel's laptop i9-10980HK draws almost 30 percent more power than the Ryzen 9 3950X, a 16-core 32-thread CPU meant for high-end desktop use. While the Comet Lake H flagship might power past Renoir offerings, it does at significantly higher power draw.
Core i9-10980HKの消費電力
「Core i9-10980HKはRyzen 9 3950Xより消費電力が約30%高い」とnotebookcheckの記事で言及されています。
Core i9-10980HKはノートPC用のCPUで、Intel公証のTDPは45Wです。対するAMD Ryzen 9 3950Xはデスクトップ用CPUで、16コア32スレッドのハイエンド帯に属します。
ただし、Ryzen 9 3950Xは純粋なデスクトップPCでの計測ではなくノートPC(Schenker XMG Apex 15)に搭載されたRyzen 9 3950Xの結果、というところは注意すべき点です。
上記画像はRyzen 9 3950Xを搭載するSchenker XMG Apex 15のもので、ピーク負荷状態で60W~75W程度となっています。
Schenker XMG Apex 15については以前の記事をご参照ください。
SCHENKERが展開するゲーミングPCブランド「XMG」に属するノートPCで、マザーボードはB450、CPUはデスクトップ版のRyzenをサポートしています。
Core i9-10980HKの消費電力は以下のツイートから引用しています。
このツイートによると Core i9-10980HKはピーク負荷時135Wという結果を残しています。
Ryzen 9 3950Xの消費電力
Ryzen 9 3950Xはデスクトップ用CPUで、ハイエンドなスペックです。しかし、Schenker XMG Apex 15ではノートPC向けのモードで動作していることに注意が必要で、notebookcheckでは「Ecoモードで実行されることに注意」と述べています。
Even running under Eco Mode, the Ryzen 9 3950X delivers 95 percent of stock performance, and these power draw figures were obtained running Furmark, one of the most CPU-intensive workloads out there.
しかし、このEcoモードで動作しているとはいえ「Ryzen 9 3950Xは95%程度のパフォーマンス」を発揮しています。
RenoirコアRyzen 4000Hに追い風?
遅れていますが、AMDはこれからRenoirコアのRyzen 4000を搭載したノートPC群をリリースする予定です。Comet Lake-H本来の比較対象はRyzen 4000Hシリーズなので、このCore i9-10980HKの消費電力の高さは、RenoirコアRyzen 4000H搭載ノートPCの評価に少なからず影響するのではないでしょうか?
もちろん、このCore i9-10980HKだけの結果を見てComet Lake-H全体を判断するのは危険ですが、少なくともCore i9-10980HK搭載ノートPCは十分な冷却システムが必要でしょう。