NVIDIA GeForce GTX1650は2019年に発売されたGPUで、ゲームプレイ用としてはローエンド帯のdGPUです。値段が安いのが売りですが、最新AAAタイトルを60fps(1080p)でプレイするのは厳しい性能。同年にGTX1650 Superが発売され余計に微妙な立ち位置に。その辺を考慮してか今回、VRAM周りのスペックを押し上げた性能向上版を投入してきました。
NVIDIA GeForce GTX 1650 Gets GDDR6 Memory - 6% Better Performance With More Room For Overclocking
GeForce GTX1650のD6モデル
アップグレードした部分はVRAMスペックです。従来のクロック8 GbpsのGDDR5メモリ(帯域幅は128 GB /s)からクロック12 GbpsのGDDR6メモリになり、帯域幅はGTX1650 Superと同じ192 GB / sとなりました。これらの変更により「GeForce GTX1650 D6」といった名称がwccftechに記載されています。グラボの商品名は「GeForce GTX1650 GDDR6」といった表記でも表されるようです。
GeForce GTX1650
従来のGeForce GTX1650はTuringファミリーのTU117(CUDAコア数は896)。VRAMはクロック8 GbpsのGDDR5を4 GB搭載、メモリ帯域幅は128 GB /秒でバスは128bitというスペックです。Turingファミリーの中でGDDR5を採用しているのは、GeForce GTX1660とこのGTX1650のみ。
GeForce GTX1650の性能は、AMD Polaris世代のGPUやNVIDIA GeForce GTX1060 3 GBを上回れませんでした。
GeForce GTX1650 Super
GeForce GTX1650 Superは、GPUコアをGTX1660と同じTU116(スペックダウン版。CUDAコア数は1280)へ変更、クロック12 GbpsのGDDR6メモリ、帯域幅192 GB / sまでスペックアップし、性能をジャンプアップさせました。現在のNVIDIA GPUラインナップでゲーム用エントリー向けといえばGTX1650 Supeでしょう。
GeForce GTX1650 D6はOC能力が高い
NVIDIA GeForce GTX 1650 GDDR6 is ~6% faster than its GDDR5 variant - VideoCardz.com
検証・測定したグラボはZOTAC製とのこと。2020年4月4日現在、GeForce GTX1650 D6を搭載し2連ファンのモデルは以下のモデルが確認できます。
GeForce GTX1650の公式GPUクロックは最大1665 MHzで、ZOTACのGeForce GTX1650 D6(GDDR6)の公式スペックは最大で1650 MHzです。
VIDEOCARDZの記事によると「Expreviewでは、GPUコアで200 MHz、VRAMで375 MHz程オーバークロックしました。VRAMを12 Gbpsから15 Gbpsにオーバークロックしたこととなり、その影響で全体のパフォーマンスが10%向上。GPUコアは約2130 MHzまでクロックがあがりました」という内容を報告しています。
その状態でのGeForce GTX1650 D6(GDDR6)の最大クロックは最大で約2130 MHzというデータだった、とのこと。
Expreview managed to overclock the card by 200 MHz on the core and 375 MHz on the memory – meaning – they overclocked the memory from 12 Gbps to 15 Gbps. This gave a 10% overall performance boost and the card had a sustained clock of 2130 MHz.
GeForce GTX1650 D6ベンチマーク
wccftechの記事では、3DMarkのベンチ結果スクリーンショット画像を引用しています。Fire Strikeのスコアは10,238です。
NVIDIA AIBs Boost GeForce GTX 1650 GPU Performance With GDDR6
また、実ゲーム8タイトルでもテストされ、GeForce GTX1650 D6(GDDR6)はGeForce GTX1650に対して1080pの場合平均で6%高速。
GeForce GTX1650 D6は低消費電力
VIDEOCARDZの記事では、GeForce GTX1650 D6(GDDR6)の動作電圧が低く、稼働に必要な電力が少ない事が利点と指摘しています。
GDDR5を実装するGeForce GTX1650の場合は負荷時約83W程度に対して、GeForce GTX1650 D6(GDDR6)は平均76W。アイドル時の消費電力は両方とも約9Wで同じです。
All of this allows for the card to reach performance close to a Radeon RX 470 with much lower power consumption but I think it'd have been better if the GTX 1650 was made this way from the start and not in a revision almost a year late. Regardless, for those looking for an efficient graphics card around $120-$130 US, the D6 variants of the GeForce GTX 1650 make for a decent purchase.
NVIDIA AIBs Boost GeForce GTX 1650 GPU Performance With GDDR6
再度wccftechの記事に戻ると、GeForce GTX1650 D6(GDDR6)は「AMD Radeon RX470に近いパフォーマンスをはるかに低い電力消費で実現できる」と纏めています。
GeForce GTX1650レビュー
GDDR5版の素GTX1650ですが、ファンレス動作を可能にするPalitグラボの記事です。GTX1650の立ち位置が見えてくると思います。
ゲーム内設定をミディアムにしたことでfpsがそれなりに出るような結果になりました。しかし、GPU Checkの結果はIntel Core i7-8700Kを利用して計測した結果、という点を踏まえないといけないかもしれません。taxtax.hatenablog.jp
GeForce GTX1650性能比較
GeForce GTX1650と他GPUの性能比較記事をいくつかピックアップします。
「CoD: MW」のfps計測からCoD: Warzoneの動作はどの程度かチェックした記事一つ目です。
安定して144fps以上出すならばAMD Radeon RX5700XT以上。NVIDIAであれば、GeForce RTX2070以上という感じ。
RX5600XTやRTX2060あたりだと設定次第でいけそうです。RX5500XTやGTX1650 Superあたりは144fpsより下のフレームレート。GTX1070あたりでも厳しそう。
二つ目はこちら。
GTX1650 Superも上記2GPU同様、レイトレーシング無しDLSS非対応TuringアーキテクチャGPUです。比較対象はNVIDIA GeForce GTX1650とAMD Radeon RX5500XT 4GBで、ゲーム内設定はHighest。
AMD Radeon RX5500XTやRX570、RX470と比較した記事です。
しかし、Radeon RX570やRX470、NVIDIA GTX1050Tiあたりを使ってゲームしているユーザーにとって、RX5500XTやGTX1650SUPER / GTX1650はアップグレードパスとしてどうだろう?という疑問に答えてくれる良比較記事だと思います。
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