
今回の記事は、Techspotによる少し古いレビュー記事「AMD Ryzen 5 5600Gレビュー」の翻訳とまとめとなります。ちょうど話題のIntel 第11世代Coreも比較対象としてピックアップされているので注目です。
AMD Ryzen 5 5600G
AMD CPU
Ryzen 5 5600Gの比較対象として。AMD同ファミリーからは以下CPUをピックアップ。
- Ryzen 7 5800X(Zen3:Vermeer)
- Ryzen 7 3700X(Zen2:Matisse)
- Ryzen 5 5600X(Zen3:Vermeer)
- Ryzen 5 3600(Zen2:Matisse)
-
Ryzen 5 2600(Zen+:Pinnacle Ridge)
- Ryzen 7 5700G(Zen3:Cezanne)
- Ryzen 5 3400G(Zen+:Picasso)
TechSpotでは、同じZen3(Cezanne)コア採用のRyzen 7 5700Gもレビューしていますが、なかなか厳しい結果を示しています。
Ryzen 7 5700Gのレビューを読んでいない方のために簡潔に述べると、360ドルという価格を考慮すると実用的なユースケースを見出すのに苦労しました。ホームシアター用途、カジュアルゲーミング、あるいはミニPCなどの超コンパクトPCにのみ向いたモデルであると言えるでしょう。少なくともゲーム用途では、Intel Core i5-10400Fのようなミドルレンジの6C12T CPUと、NVIDIA GeForce GTX 1060 3GBのような中古グラボの方がはるかに適しています。Ryzen 7 5700Gと同価格でほぼ2倍の性能です。
| Ryzen 9 5900X | Ryzen 7 5800X | Ryzen 5 5600X | Ryzen 7 5700G | Ryzen 5 5600G | |
| Release | November 5, 2020 | April 13, 2021 | |||
| MSRP $ | $550 | $450 | $300 | $360 | $260 |
| Cores / Threads | 12 / 24 | 8 / 16 | 6 / 12 | 8 / 16 | 6 / 12 |
| iGPU | N/A | 512:32:8 (8 CU) | 448:28:8 (7 CU) | ||
| Base Frequency | 3.7 GHz | 3.8 GHz | 3.7 GHz | 3.8 GHz | 3.9 GHz |
| Turbo Frequency | 4.8 GHz | 4.7 GHz | 4.6 GHz | 4.6 GHz | 4.4 GHz |
| L3 Cache | 32 MB per CCD (64MB Total) | 32 MB | 32 MB | 16 MB | 16 MB |
| TDP | 105 watts | 65 watts | |||
Intel CPU
まとめ
TechSpotによるAMD Ryzen 5 5600Gのレビュー要約
2021年時点でのTechSpot記事では、Ryzen 5 5600Gを(特にグラフィックボードの価格が高騰している市場において)非常に価値のあるCPU/APUであると評価しています。
総合評価
Ryzen 5 5600Gは、強力な「Zen 3」アーキテクチャに基づく6C12Tのコアと、高性能iGPU「Radeon Vega 7」を組み合わせたCPU/APUです。グラボなしでも軽量なPCゲームが楽しめるため、予算を抑えたい自作PCユーザーや、ひとまずPCを組んで後からdGPUを増設したいユーザーにとって最適な選択肢と結論付けられています。総じて、Ryzen 5 5600GはCPU性能と内蔵GPU性能のバランスが絶妙であり、特に市場環境を考慮した際のコストパフォーマンスが際立つ、非常に優れた製品であると評価されています。
Cinebenchのマルチコアスコアでは、同世代ながら別コアのRyzen 5 5600Xと同等の数値を叩き出し、シングルコアスコアでは、Zen2(Matisse)コアから順調に進化されている様子が見て取れます。
Cinebench R20マルチコア

Cinebench R20シングルコア

内蔵GPUのゲーム性能
レビューの最大の焦点は内蔵GPUの性能です。TechSpotのベンチマークテストでは、多くの人気eスポーツタイトル(『レインボーシックス シージ』、『CS:GO』など)や比較的軽量なゲームを、1080p解像度・低〜中設定で平均60fpsに近いフレームレートでプレイ可能であることが示されました。これは、別途数万円のグラフィックボードを追加しなくても、快適なゲーム体験が得られることを意味します。ただし、『サイバーパンク2077』のようなAAA級の最新・高負荷ゲームをプレイするには性能が不足しており、その場合は別途高性能なグラボが必須となります。
CPUとしての性能
CPU性能に関しては、同じZen 3アーキテクチャの兄弟モデルであるRyzen 5 5600Xと比較されています。Ryzen 5 5600GはL3キャッシュが半減(16MB)しているため、純粋なCPU処理能力では5600Xに一歩譲ります。特に、CPU性能が重要となるアプリケーションや、高性能グラフィックボードと組み合わせた際のゲーミング性能では、Ryzen 5 5600Xに軍配が上がります。
下記グラフは10ゲーム平均値とBlenderベンチ時の消費電力です。対Intel Core i5系で近しい数字のモデルをみると、Core i5-10400FはRyzen 5 5600Gより消費電力が低く平均値はほぼ同じ。Core i5-10600KはRyzen 5 5600Gより平均値は高いですが、消費電力が高い、という感じです。


Ryzen 5 5600Gは日常的な作業、コンテンツ制作、マルチタスキングにおいては非常に優れた性能を発揮し、多くのユーザーにとって十分すぎるほどのパフォーマンスを提供します。
結論と推奨ユーザー
TechSpotはRyzen 5 5600Gを以下のようなユーザーに強く推奨しています。
- 予算重視のゲーマー: グラフィックボードなしでPCを組み、まずは軽量なゲームを楽しみたい人。
- 将来のアップグレードを考えるユーザー: まずはAPUでPCを完成させ、後で高性能なグラフィックボードを追加したい人。
- 小型PC(SFF)ビルダー: 省スペース・省電力な構成で、ある程度のゲームもこなせるPCを組みたい人。
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