
前回、Ryzen 5 7600とRyzen 5 3600の比較レビューを改めてチェックしましたが、本稿ではRyzen 5 7600Xのレビューをピックアップ。Ryzen 5 7600の無印に比べて、クロックが底上げされていますが、そのかわりにデフォルトTDPが105Wとなっています。Ryzen 5 3600との性能差もチェックできます。
AMD Ryzen 5 7600X
基本仕様
- コア/スレッド:6コア/12スレッド
- ベースクロック/ブーストクロック:約 4.7GHz / 最大 5.3GHz
- アーキテクチャ/プロセス:Zen 4 / TSMC 5nm
- TDP(公称):105W
- 対応ソケット/プラットフォーム:Socket AM5、DDR5 メモリ、PCIe 5.0
- MSRP(発売時価格):約 $299.99 USD
ベンチマーク
同サイトのベンチマーク計測では、Ryzen 5 7600Xシステムにおいてクロック差のあるメモリを用意しています。メモリのクロックが高いほうが基本的にパフォーマンスがでる傾向がありますが、どうでしょうか?
Arithmetic
SuperPI

WPrime

AMD Ryzen 5 7600Xは、SuperPIにおいて優れたシングルコア性能を発揮し、Intel Core i9-12900Kをも上回っています。一方wPrimeでは、より高価なIntelモデルには及ばないものの、直接の競合相手であるCore i5-12600KFとの差は僅かとなっています。Zen 2コア世代のRyzen 5 3600の結果をみるに明らかな世代差が感じられます。
この2つの結果だけをみると、Ryzen 5 7600X環境におけるメモリクロック違いはほぼ感じられません。
3D Rendering
Cinebench R20

V-Ray 5

Cinebench R20、V-Ray 5といったは3Dレンダリングベンチマークでも、Ryzen 5 7600Xのメモリクロック違いは大きな差を生むことができていません。
Digital Content Creation
GIMP, Image Editing

HandBrake, Video Encoding

Compression
WinRAR


GIMPとHandBrake、WinRAR、7-Zipのスコアでは、メモリクロックの違いが如実に現れています。確実に「高クロックメモリ」を導入したほうが良い、といえるでしょう。
Web Browsing
PCMark 10(Chromium, load 3D Object)

PCMark 10(Firefox, Map Infographics Update)

Office Productivity
PCMark 10(LibreOffice Writer, Load Document)

PCMark 10(LibreOffice Calc, Copy Data and Compute)

Gaming
Final Fantasy XIV: Endwalker

Civilization VI

ゲームベンチではIntel Core i5-12900Kと同等のスコア。Ryzen 5 3600が意外と頑張っている気がします。
パフォーマンスまとめ
- シングルコア性能が非常に優秀。SuperPI など一部のシングルスレッドベンチマークでは Intel Core i9-12900Kをしのぐ結果もあった
- マルチコア性能も十分。過去世代となるRyzen 5 3600と比べて大幅に改善。レンダリング、動画エンコード、圧縮/展開などでの処理能力が高い
- ゲーム性能では、1080p や中設定〜高設定で非常に高いフレームレートを発揮。Intel Core i5-12600Kなど同ジャンルの競合CPUと比較しても遜色ない。特にシングルスレッドの強さがゲームでの差として効いてくる
温度・消費電力・冷却状態
- 高負荷時の温度はやや高め。ストレステストやAVX使用時には90°Cに近づくことも。冷却環境をしっかり整える必要あり
- 消費電力も上がっており、TDP 105Wと相まって、プラットフォーム全体(マザーボード・電源・冷却)に対する要求が高い
長所・メリット
- 高いシングルスレッド性能で、ゲームやインタラクティブなアプリケーションでの応答性が非常に良い
- 新アーキテクチャ (Zen 4) + PCIe 5.0 + DDR5 のモダンな仕様で、将来性あり
- 多くの作業で世代交代の恩恵が大きく、旧世代 Ryzen 5 系統からのアップグレードとして効果が高い
短所・注意点
- 対応マザーボード(AM5)、DDR5 メモリなど、システム全体のアップグレードコストが無視できない
- 発熱が高いので、冷却手段をケチると性能が抑えられたり寿命面で不安あり
- “X” モデルなので、標準ではクーラーが付属しない。別途高性能なクーラーが必要
総評
TechPorn のレビューでのRyzen 5 7600X評は「価格(約$300)に見合う性能が期待でき、それをしっかり提供する CPU」とされています。高クロック且つZen 4コアのIPC 改良により、ゲーム用途やクリエイティブ用途の両方で十分な性能があります。「ミドル~ハイミドル層」の PC ユーザーにとって強力な選択肢です。
ただし、システム全体のコストがそれなりにかかる点(Socket AM4プラットフォームからマザーボードとメモリが変更必須)や冷却機構が整えられるか?という点、を考慮しないとその性能をフルに発揮できない可能性がある、という注意も添えられています。
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