
PCゲーム向けにAMD Socket AM5のミドルレンジ、Ryzen 5シリーズの(比較的)手頃なモデルを対象に検証。AMD Ryzen 5 7400F、Ryzen 5 7500F、Ryzen 5 7600、Ryzen 5 7600X、さらに Ryzen 5 9600XとRyzen 5 8400Fといった複数モデルを同じテスト環境で比較しています。
概要
TechSpotの記事では、ゲーミング用途向けにAMD Ryzen 5シリーズ中の比較的手頃なモデルを対象に検証。具体的には、AMD Ryzen 5 8400F、Ryzen 5 7400F、Ryzen 5 7500F、Ryzen 5 7600、Ryzen 5 7600X、さらにRyzen 5 9600Xといった複数モデルを同じテスト環境で比較しています。 目的は「予算を抑えたPCゲーミング用途でどのRyzen 5が最適か」という問いに答えることです。
命名と仕様がやや混乱している
たとえば、8400Fは「Ryzen 8000」シリーズという名称ですが実質的にはZen 4コアを採用したCPUで、仕様的には7000シリーズよりも一部劣ります(L3キャッシュが少ない、PCIe 4.0 に留まる、レーン数が減っている)。 つまり「シリーズ名=世代アップ」という訳ではなく、仕様・アーキテクチャをよく確認する必要があります。
ゲーム性能
テスト環境
| CPU | Ryzen 5 9600X | |
| Ryzen 5 7600X | ||
| Ryzen 5 7600 | ||
| Ryzen 5 7500F | ||
| Ryzen 5 7400F | China | |
| Ryzen 5 8400F | OEM | |
| Motherboard | MSI MPG X870E Carbon WiFi | |
| [BIOS 7E49v1A64] | -ReBAR enabled | |
| Memory | G.Skill Trident Z5 RGB DDR5-6000 | |
| [CL30-38-38-96] | ||
| Graphics Card | Asus ROG Astral GeForce RTX 5090 | |
| ATX Case | MSI MEG Maestro 700L PZ | |
| Power Supply | Kolink Regulator Gold ATX3 1200W | |
| Storage | TeamGroup T-Force Cardea Z44Q 4TB | |
| Operating System | Windows 11 24H2 | |
| Display Driver | Nvidia GeForce Game Ready Driver 581.42 |
総合的な結果
多くのゲーム(12タイトル以上)でテストされており、最上位モデル(9600X)が他モデルに対して「最大でも6%程度」の性能差しか出ないケースが多かったといえます。例えば、平均で9600Xは7600Xより6%高性能、Very High設定では3%差という数値が出ています。 一方、8400Fは L3キャッシュ量の少なさやアーキテクチャ差などが影響し、7400Fや7500Fに対して12〜14%程度遅れるという結果も報告されています。
ゲームによって「CPU がボトルネックとなる場面/GPUがボトルネックとなる場面」が異なり、高解像度・高設定では差が縮まる傾向があるとされています。

コストパフォーマンス
「1 フレームあたりのコスト(Cost per Frame)」という指標で評価されており、価格に対しての性能効率を重視しています。
結論は「価格が安めの7400Fが最もバランスが良い」こと、また「8400F が価格が非常に低ければ良い選択肢」などということも述べられています。価格がRyzen 7000シリーズと比べて十分安いようであれば8400Fは「ベターな選択肢」とされています。
プラットフォーム・仕様差に注意
L3キャッシュ量、PCIeバージョン/レーン数などが性能に影響を与える要素として挙げられています。例えば、8400FはPCIe 4.0/20レーンという制限があるため、将来的な拡張性でも劣る可能性があります。また、予算構築を考えるとCPUだけをみるのではなく「マザーボードやメモリ(DDR5)、冷却構造」などトータルでのコストを意識すべき、という指摘もあります。
おすすめモデル
Ryzen 5シリーズに求められる(求める)ことの順番を考えるとコストパフォーマンスは避けて通れないでしょう。Techspotの同記事においては「ゲーム用途で最もコストパフォーマンスが高い選択肢はRyzen 5 7400F」と評しています。トータルコストという点で「より価格を優先する場合」なら、仕様や拡張性の制限を理解した上で8400Fも十分に検討対象となり得ます。大規模iGPUを搭載しているので、導入時はiGPUのみでコストを抑え、後からdGPUを購入する、という計画も立ちやすいです。より上位モデル(7600/7600X/9600X)は「性能を少しでも上げたい」「将来的なアップグレードを考えたい」場合に意味がありますが、ゲーム用途のみであればその価格差を正当化しづらいという見方も示されています。
AMD Ryzen 5 7400Fは日本で買える?
現時点(2025年11月)において、Ryzen 5 7400Fを日本の一般小売店で単体パーツとして購入することは非常に困難、または限定的です。AMDの公式情報では、Ryzen 5 7400Fの提供地域に日本を含むアジア太平洋地域(APJ)が含まれていますが、このモデルは主にPCメーカー(OEM)やシステムインテグレーター(BTOパソコン販売店など)向けに出荷されており、一般消費者がお店で単体で購入できる「リテール品」としての流通は現時点ほとんど確認されていません。
代替案はRyzen 5 7500FもしくはRyzen 5 7600
もしAM5プラットフォームでグラボを別途搭載する("F"モデル)前提のCPUを探している場合、以下のモデルが一般の小売店で販売されています。
Ryzen 5 7500F:7400Fよりわずかに高性能でコストパフォーマンスに優れたモデル。BTO PCの場合、各社からコストパフォーマンスに優れたRyzen 5 7500F搭載ゲーミングPCが販売され、手に入りやすいCPUと言えます。
Ryzen 5 7600:7500Fよりさらに高性能なモデルです(内蔵グラフィックスも搭載していますが、基本グラボ搭載前提CPUでしょうか)。自作PC派にとってもBTO PC派にとっても一番バランスが良いのがRyzen 5 7600だと感じます。
Ryzen 5 7500F搭載BTO PC 販売メーカー例
(※一部、販売終了品の後継モデルの場合もあります。詳しくは各サイトをご確認ください)
現在(2025年11月)、以下の主要BTOメーカーで取り扱いが確認できました。
パソコン工房
LEVEL∞ (レベル インフィニティ) シリーズなどで、Ryzen 5 7500FとGeForce RTX 5060 / 5060 Tiや、Radeon RX 7600などを組み合わせたモデルを豊富にラインナップしています。
マウスコンピューター
ゲーミングブランドの NEXTGEARシリーズ や、スタンダードPCのmouseシリーズ で、GeForce RTX 5060やRadeon RX 6600などを搭載したモデルが販売されています。
ドスパラ
ゲーミングブランドのGALLERIA (ガレリア) シリーズ や、Lightning (ライトニング) シリーズ で、GeForce RTX 5060やRadeon RX 7600などを搭載したモデルがあります。
「AMD Ryzen 5 7500F」の検索結果|パソコン(PC)通販のドスパラ【公式】
モデル選びのポイント
Ryzen 5 7500F搭載PCは、組み合わせるグラボ(GPU)によって価格と性能が大きく変わります。
エントリー〜ミドルクラス (例: RTX 5060, RX 7600)
フルHD(1080p)環境で多くのゲームを快適にプレイしたい場合に適しています。
ミドル〜アッパークラス (例: RTX 5060 Ti, RTX 4070, RX 9070)
フルHDで高フレームレートを目指したり、WQHD(1440p)環境でのゲームプレイも視野に入れたい場合に適しています。
Ryzen 5 7600搭載BTO PC 販売メーカー例
(※一部、販売終了品の後継モデルの場合もあります。詳しくは各サイトをご確認ください)
Ryzen 5 7600は、Ryzen 5 7500Fとは異なり内蔵グラフィックスを搭載しているため、グラボを搭載しない、より安価なビジネス向け/一般向けモデルにも採用されているのが特徴です。もちろん、高性能なグラフィックボードと組み合わせたゲーミングPCモデルも多数存在します。
パソコン工房
LEVEL∞ (レベル インフィニティ) シリーズなどで、Ryzen 5 7600とグラボ(Radeon RX 7600など)を組み合わせたゲーミングPCが販売されています。
パソコンショップSEVEN
ZEFTシリーズ(ゲーミングPC)や、スリムデスクトップPC(ビジネス・一般向け)など、グラフィックボード搭載・非搭載の両方のモデルでRyzen 5 7600搭載機を販売しています。
BTOパソコンならパソコンショップSEVEN|BTOパソコン通販
(※2025年11月現在、AMD Ryzen 5 7600搭載モデルは販売されていません)
ドスパラ
過去にはRyzen 5 7600搭載モデル(XA5R-R36など)を販売していましたが、現在(2025年11月)の新品ラインナップでは、Ryzen 5 7500Fや新しいRyzen 9000シリーズが中心となっているようです。ただし、中古品やパーツ単体での取り扱いはあります。
「AMD Ryzen 5 7600」の検索結果|パソコン(PC)通販のドスパラ【公式】
マウスコンピューター
現在のラインナップでは、Ryzen 5 7500FやRyzen 5 4500搭載モデルが中心となっており、Ryzen 5 7600を搭載したBTO PCは見当たりませんでした。
ツクモ
現在はRyzen 5 7500Fや旧世代のRyzen 5 4500搭載モデルが中心のようです。Ryzen 5 7600は、パーツ単体やマザーボードとのセット販売が主となっています。
モデル選びのポイント
Ryzen 5 7600搭載PCを選ぶ際は、以下の2つのタイプからご自身の用途に合ったものを選ぶことになります。
グラフィックボード非搭載モデル
内蔵グラフィックス(Radeon Graphics)を利用。
- 用途:事務作業、インターネット閲覧、動画視聴、軽いクリエイティブ作業。
- メリット:PC本体の価格が安く、消費電力が低い。
販売メーカー例:パソコンショップSEVENなど。
グラフィックボード搭載モデル
別途GeForceやRadeonのグラフィックボードを搭載。
- 用途:PCゲーム(Apex、原神、最新のAAAタイトルなど)、動画編集、3Dモデリング。
- メリット:高いグラフィック性能を発揮できる。
販売メーカー例:パソコン工房、パソコンショップSEVENなど。
AMD Ryzen 5シリーズ(Socket AM5)ラインナップ
| Ryzen 9600X | Ryzen 7600X | Ryzen 7600 | Ryzen 7500F | Ryzen 7400F | Ryzen 8400F | |
| Release date | Aug 2024 | Sep 2022 | Jan 2023 | Jul 2023 | Jan 2025 | Apr 2024 |
| Release price | $280 | $300 | $230 | $180 | China | OEM |
| Cores / Threads | 6 C/ 12T | |||||
| Base Clock | 3.9 GHz | 4.7 GHz | 3.8 GHz | 3.7 GHz | 4.2 GHz | |
| Boost Clock | 5.4 GHz | 5.3 GHz | 5.1 GHz | 5.0 GHz | 4.7 GHz | |
| L3 Cache | 32 MB | 16 MB | ||||
| Process | TSMC N4X FinFET | TSMC N5 FinFET | TSMC 4 nm FinFET | |||
| (N6 FinFET I/O die) | (N6 FinFET I/O die) | |||||
| Core Config | 1 × 6 | |||||
| Chiplets | 1 × CCD, 1 × I/OD | - | ||||
| PCIe Mode | 5 | 4 | ||||
| PCIe Lanes | 28 | 20 | ||||
| Box Cooler | - | Yes | - | |||
| TDP | 65 W | 105 W | 65 W | |||
まとめ
- 比較対象:Ryzen 5 9600X/7600X/7600/7500F/7400F/8400F
- Ryzen 5 8400F はZen4ベースだが、L3キャッシュが16MB、PCIe 4.0対応のみなどで性能は低め
- Ryzen 7400F は同じ4.7GHzブーストでもL3キャッシュ32MB、PCIe 5.0対応
- 8400Fは実質的に8600GのiGPUなし版で、OEM向けに設計された廉価版
- ゲーム性能では7600/7600Xが依然としてトップクラスのバランス
- 8400Fと7400Fはコストは安いがキャッシュ削減の影響でフレームレートがやや低下
- 結論:コスパ重視なら7500F、性能重視なら7600Xが最適
- BTO PCで購入するならRyzen 5 7600をおすすめ

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