
メモリ不足が非常に深刻になっている。安いDDR5メモリを入手したいエンドユーザーにとって、CXMTやYMTCなどのChinaメモリチップやメモリモジュール製品を高コスパモデルとして期待するが決してそうではない。
DRAM不足
自作PC向けメモリ、本稿執筆時点のメインストリーム規格であるDDR5の価格は基本的に高騰している。特に大容量モジュールの価格が全体的に値上がり、もしくは、高止まり中である。供給状況がすぐに改善する見込みがないことを踏まえ、一部エンドユーザーは中国のサプライヤー(例えばCXMTなどのモジュール搭載メモリー)に注目していたが、いくつかの理由でそれは間違っている。
Image via wccftech The NAND Crisis Is Now Worse Than DRAM; Samsung Is Doubling Prices for the Second Quarter in a Row
上記レポートのポイントは主に2つ。
- 中国メモリ業界の概要
- CXMT、YMTC、および同様のプレーヤーが実際に規制枠組みを回避してDDRモジュールを世界中の顧客に出荷できるかどうか
CXMT等の中国ベンダーがどうやってDDR5/DDR4メモリチップを作るのか、そのバックグラウンドにあるプロセステクノロジーを確認することが重要。サプライチェーンの要素について言えば、既存の有名ベンダー並のボリューム(量)とコストを両立できるのか、という2点。
CXMTのDDR5モジュール: EUV回避策
CXMTは中国でDDR5メモリチップを生産する大手企業の1つであるため焦点を当てる。

DDR5メモリチップにはEUVリソグラフィーで構築されたプロセスノードが必要であるが、(周知の通り)中国からはそれら技術にアクセスできない。CXMTは、それらを回避しつつ同様の結果を達成する。
回避策の中で注目すべき技術にはSAQP、aggressive binningおよびhigher XMP voltage profilesなどがある。しかし、それらEUV回避策を用いたCXMTメモリチップのダイサイズは、例えばSK hynixと比較して同じメモリ容量で約40 ~ 50%程大きいと報告されている。シリコンウェハから得られるチップの数が少ない場合、量産コストが大幅に増加する。また、最大8,000MT/sのクロックを達成するための代替技術により、一般的なメモリチップと比較して温度が上昇してしまう。
同社はDDR5メモリチップを市場に投入したばかりであるため、現時点でCXMTには経験 −− 設計の検証・テスト、そして最終的には統合を含む多段階プロセス −− これらの要素が欠けていると言わざるを得ない。
例として現時点のCXMTが苦戦しているポイントを挙げたが、中国のメモリモジュールメーカーはCXMT同様、非常に不利な立場にある。

CXMTが、CPUやモバイルグラフィックスなどさまざまなアプリケーション分野の顧客との間で技術的欠陥を解決した経験がない限り、グローバルなメモリ企業になるのは非常に難しいだろう。SamsungやSK Hynixのような実績のあるサプライヤーがすでに存在していることを考えると、品質と信頼性の歴史なしに企業を選ぶ理由はない。
- Professor Shim, Dong-A University via KoreaHerald
コスパとボリューム。有名ベンダーと肩を並べられるのか
CXMTは現在、中国国内向け需要にコミットしている。製造能力的に中国の国内需要にしか対応できないとも言えるのではないか……。生産を大幅に拡大したとしても、AppleやHP、DellなどのPCメーカーは中国独自の技術を広範にテストしない限り、メモリモジュールの購入には応じないことは明白。
CXMTは、「小売価格を下回る」値段でRAMキットを販売するという主張を否定している。DigiTimesの報道によると、韓国ベンダーが提供する価格と同水準まで価格を引き上げようとしている。つまり、CXMTのメモリモジュールは(期待される)特別な価格ではないということだ。同様に、中国の有名なNANDメーカーであるYMTCもDRAM生産ラインへの投資を行っているが、現在のDDR5/DDR4契約価格が下落したという報告はない。
中国のメモリモジュールが私たちのPCに導入されたときのもう一つの主要な懸念事項

YMTCは米国に進出済。2022年12月から、同社がHuaweiおよび中国軍との取引に関与しているとの主張を受けてU.S. Entity Listが作成された。一方、CXMTはU.S. Entity Listに含まれていないが、Department of Warは依然としてSection 1260Hに基づき同社を禁止しており、これによりCXMTの米国における企業活動を窮地に追い込む可能性がある。
米国は長年にわたり、中国のベンダーから調達されたコンピューターコンポーネント製品に対するコア技術統合に反対してきた。これは中国のメモリサプライヤーによるモジュールがAIやネットワークに採用された場合、行政が介入して制限を課す可能性があることを意味しており、これはもう一つの主要な関心事である。
ただし、上記のとおり製造上の制約により現状、CXMTやYMTCは大きく遅れており、留意する必要がある。
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