パソコンでゲームをする、というと敷居が高く難しそう、というイメージがあると思います。
PS4やNINTENDO Switchのようなゲーム専用機は、ゲーム本体をお店で購入またはダウンロードしてゲーム本体を立ち上げればすぐプレイできる簡単な環境ですが、パソコンの場合、ゲーム機のような「すぐできるようになる環境」を実現するために手間がかかってしまいます。
しかし、覚えるべきことだけ掴んでしまえばそんなに難しいことではありません。
パソコンでゲームをするための最初の一歩を簡単に説明してみようと思います。
ゲームに向いたPC
ゲーミングPCという単語を聞いたことがあると思いますが、ゲーム専用のPCというわけではありません。どんなPCでも形式種類を問わなければゲームをすることはできます。
ゲームの種類
一口にゲームといっても形式や表現方法がたくさんあり、FLASHで動くブラウザゲーム、且つ将棋といった動きが無い古典的な2DゲームであればPC問わず広く遊べるでしょう。
これらブラウザゲームはインターネットに接続して遊ぶゲームなので、OS的にサポートが終わっているWindowsは非推奨です。Windows 10であっても、流石にWindows XP世代のシングルコアCPUあたりのものはOS対応も含めて環境的に厳しいです。
専用ソフトウェアが必要で 、背景やキャラクターが高品質な3Dで表現されるゲームはどのようなパソコンでも遊べる、というわけではありません。
ゲーミングPCと呼ばれるPCは、こういった専用ソフトウェアから起動する高画質な3Dゲームを快適に動かしたいパソコンを指しています。
とはいえただのパソコンです。ブラウザを使う、マイクロソフトOfficeスイートを使う、アドビのソフトウェアを使う、動画を作る、音楽を作るなど他のことにも使えます。
ゲームに向いたパソコンは総じて高スペックなので、他の作業も短時間で済むことがあります(動画エンコードなど)。
自作PC
パソコンは自作することができます。自作といっても基盤に半導体を半田ごてでつける、といった「作る」ことではありません。すでに出来上がっている部品(パーツ)を組み合わせるだけです。それら部品は一定の規格に沿って作られた汎用パーツです。
自分で作るというより自分で構成を考え、購入し、自分でそれらを組み上げるもの、といったほうが収まりがいいでしょう。
自作PCの良いところ
自分の納得いくスペックで揃えることができること、が最大のポイントだと考えます。CPUは0.1GHz下のものに抑えてGPUに予算を割り振る、といった細かい芸当が可能です。
自作PCの悪いところ
すべて自分で解決しなければいけないことです。自分の責任で部品を選んで組み上げて、OSを動かす必要があります。また、部品(パーツ)それぞれの細かいスペックなども覚えなければいけません。
昔は「自作は安上がり」でしたが現在は割高になりがちです。
※選ぶ部品(パーツ)の取捨選択次第では安くなることはありますが、後述するBTO PCと同じ構成といった形であれば割高になってしまう傾向があります
ゲームを遊ぶという目的にたどり着くまで遠回りになってしまうことは事実です。
BTO PC
Ryzen 5 3600, GeForce GTX 1660 SUPER OC, AORUS GAMING PCミドルレンジモデル
ゲームを遊ぶパソコンを選ぶ人にとって一番の近道はBTO PCかもしれません。ゲーミングPCという言葉もBTO PC界隈発祥の用語です。
自作PCと汎用パーツの組み合わせで、ゲームが遊べる保証とパソコン本体の保証がある完成品という点でも非常にわかりやすいジャンルです。
BTO PCの良いところ
パソコンのスペックに詳しくない場合でも「遊びたいゲームが動くパソコン」といった選び方ができることが最大のポイントだと思います。
PS4やNINTENDO Switchなどのゲーム機のお手軽さには及びませんが、Windowsを使うことができればある程度のお手軽感を得られるのがBTO PCです。
また、前述したとおり保障がつく点も安心感があり、良い点にあげられます。
PCゲームを遊ぶ、という目的へ、最短距離で近づくことができるのがBTO PCだと考えます。
BTO PCの悪いところ
ゲームをする目的のためにBTO PCを選ぶことに悪い点はない、といっても過言ではありません。
メーカー製PC
メーカー製というとある意味語弊がありますが、本記事ではHPやDell、Lenovoなどのグローバルメーカーや日本の各メーカー製のパソコンを指します。
Dell, HP, Lenovo
DellやHP、Lenovoでは最近、ゲーミングPC(とブランディングしたパソコン)を売っています。上記BTO PCは自作PCに近いものですが、これらメーカーのゲーミングPCは独自のパソコンと考えたほうが良いものです。
BTO PC:自作パーツショップで購入したグラボを自分で交換する、CPUを交換する、電源を交換する、といったことは一定のルールを知っていれば可能です。ただし保証はなくなります。
DellのゲーミングPC、ALIENWAREは、独自の規格の部品で構成されている場合がほとんど。
CPUやグラボは可能(グラボはサイズ的に、電源のスペック的にダメなものもあるかもしれません)かもしれませんが、電源などは自作PC用の汎用パーツを利用するのはほぼ無理、と考えたほうがよいでしょう。
ノートPC
BTO PCを販売しているパーツショップにも独自のノートPCを販売しているところは多いですが、基本的に半完成(ベアボーン)のノートPCを完成させて販売しています。主にCLEVOのODMが多い印象です。
昨今はDell、HP、LenovoがゲーミングノートPCの製品ラインナップを充実させています。所謂メーカー製パソコンはノートPCが主戦場だけあって高品質なものを作っていますが、注目度や話題性という意味では、ASUSやMSI、GIGABYTEといった自作PCパーツのメーカーや、RazerといったゲーミングデバイスのメーカーのノートPCのほうが大きい存在感となっています。
また、ノートPCは(当たり前ですが)モニターもついています。144Hzや240Hzといった高リフレッシュレートのモニターが搭載されているものもあります。
価格を見ると高いように見えますが、144Hzや240Hz等の高リフレッシュレートモニターとゲームプレイに適したキーボードがついているゲーミングノートPCを選ぶと意外と安いものもあります。
ASUS
ASUS ゲーミングノートパソコン ROG (Core i7-8750H/GTX 1070/16GB・SSHD 1TB・SSD 256GB)【日本正規代理店品】 GM501GS-I7G1070
MSI
GIGABYTE
Razer
筆者個人の意見ならば、Razer Blade 15やASUS ROG Zephyrusシリーズを推したいところ。
パソコンは面倒くさい
BTO PCやメーカー製PCはパソコンでゲームをするため "以外" の煩わしい事を考えなくて済みそうですが、「それ以外」の部分が意外と大変。
例えば、パソコン本体が調子悪くなった場合の対処。WindowsなどOSのせいなのか、ゲーム自体のせいなのか、パソコン本体のせいなのか、パソコンの各部品のせいなのか、パソコンの仕組みに理解が高いと対処がすぐできますが、そうではない場合、対処するのにかなり手間と時間がかかるでしょう。
PCゲームをしたい人が最初に選ぶのがBTO PC、という傾向を踏まえて、パソコン動作に関するサポートがあるところで購入することは大事です。
インターネット接続
主要PCゲームはインターネット接続必須と言って過言ではありません。
「オンラインゲーム」はインターネットに繋いで他ユーザーと一緒に遊んだり戦闘したりするものなので、ネット接続は必須。今、最もユーザー数が多いバトルロワイアル系ゲームはオンラインゲームになります。
対する「オフライン」と呼ばれるスタンドアローンのゲームでも、各種データのアップデートやバグ修正データ、追加コンテンツ(DLC)等がインターネット経由で提供されることがほとんどです。
PCゲームをするうえでインターネットのインフラは重要ですが、回線に関しては特に突っ込みません。既に引いてある所が多いと思いますし、回線を入れなおすことや追加することは状況が許さない場合もあると思います。引っ越し等のタイミングで新しい回線にする場合、太い回線はどこか検討してみてもいいと思います。
ネットワーク機器
有線でルーターと繋ぎましょう。今は下手な有線より太い無線もありますが、それを可能とする機器を備えている場合は少数のため、まずは有線で繋ぐことを覚えてくれれば問題はないです。
PCゲームプラットフォーム
PCゲームを起動するためにはゲーム配給会社のランチャーをインストールする必要があります。
フォートナイトならEpic Games Launcher(エピックゲームランチャー)をダウンロードしインストール。エピックゲームランチャーを立ち上げてそこからフォートナイトをインストールしたり、ゲーム本体の起動を行います。
レインボーシックス シージ(R6S)ならUbisoftのランチャーであるUplay、Apex LegendsならEAのオリジンをインストールします。
開発・配信会社に縛られないプラットフォームもあります。最も有名でユーザー数が多いプラットフォームはSteamです。
Steam
SteamはPS4のPlayStation Storeのようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。
PS4のPlayStation Storeは標準機能ですが、Steamは別途インストールする必要があります。また、Steamで全てのPCゲームが購入できるわけではありません。Steamと提携しているゲームのみとなります。前述したエピック等のプラットフォームでも、提携した一部の他社ゲームを購入できたりします。
周辺機器
初めてパソコンを買ったとき本体とモニターで予算が手一杯。他は買えないよ、というパターンに陥ると思います(筆者が最初に買った時はまさにそうでした)が、PCゲーム、特にPUBGやFortnite、R6S等のシューター系人気タイトルを遊びたい場合、ゲーミングデバイスと総称されるゲームに向いた周辺機器があると違う世界が見えてきます。
本記事では、限られた予算でまず何を買うべきか筆者の考えを書いてみます。
優先順位
- マウス・マウスパッド
- ヘッドフォン(ヘッドセット)
- キーボード
- その他(デスクや椅子など他もろもろ)
まず最初に買っておきたいのはマウスとマウスパッド。
前述したゲームは「敵を狙い撃つ」ことが重要な要素の一つで、PCゲームではそれをマウスを使って行います。「敵を狙い撃つ」ことに適したデバイスを使うとプレイフィールが全然違ってきます。まじです。
その次はヘッドフォン(ヘッドセット)。
それらゲームは音を聞いて判断することも重要な要素です。どこから音が聞こえてくるのかきちんと把握できるようにヘッドフォン(ヘッドセット)を、というのが2番目です。最近はイヤフォンも人気です。
キーボードはマウスと並んで人気のゲーミングデバイスですが、限られた予算で優先順位をつけるのであれば3番目。
その他は買いたくなった時に予算が許せば買ってみてください。
あくまで筆者の考えなので、他の方であれば違う答えかもしれません。その点を踏まえて参考にしていただければ幸いです。
まとめ
パソコンでゲームをするにあたっての、ゲームに向いたパソコンの選び方、パソコンの面倒くささ、インターネット回線、ゲームプラットフォーム、周辺機器(特にゲーミングデバイス)のガイドを一通り書いてみました。
なにより、ゲーム専用機に比べてゲームするまでが面倒です。できるようになってもパソコンならではのトラブルもついてまわります。とにかくめんどくさい事が多いかもしれません。
ですが、PCでゲームをしたい!という熱意だけで知識もないままとりあえず買って遊んでいる方は多いものです。むしろそういう人達のほうが多いでしょう。パソコンならではの面倒さも、コツさえ掴んでしまえば難しいものではありません。初めは詳しい人に聞いて覚えよう、くらいでもいけるものです。
精神論がオチ、というのもなんだな、と思いますが本記事はとりあえずこれで締めます。機会があれば突っ込んだ記事も書いてみようと思います。