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BTO PCの罠と自作PCの罠を書いてみる。その①【わかりやすく解説】

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サイコム G-Master Velox II AMD Edition

Image via @Sycom G-Master Velox II AMD Edition

本記事は自作PCをする立場からBTO PCの良し悪しを書いてみようというものです。どちらも良いところと悪いところがありますので、それぞれ適した選択は何か比較してみます。現在流行しているBTOゲーミングPCの選び方は…?という面にも言及していきます。

はじめに

BTO PCの罠と自作PCの罠を書いてみる。その①」の記事内で説明するそれぞれの長所と短所をざっくりとまとめてみると以下のようになります。

BTO PCの特長

  • 構成がわかりやすい
  • PC本体に保証がある。サポートがある
  • 特定の製品を指定できないことがある
  • 柔軟な構成が苦手

自作PCの特長

  • 柔軟な構成が可能
  • 構成が広すぎる
  • 全て自己責任
  • パーツ毎の保証はかけられるがPC本体には保証はない

これら長短を簡単に説明してみます。

BTO PCとは

BTOとは、ビルド トゥ オーダー(Build to Order)の頭文字をとった言葉です。注文(オーダー)を受け組み上げる(ビルド)PCを「BTO PC」といいます。

初めは自ら組み立てるコンピューターを販売している販売店や業務用のコンピューターを発注する際に、その用途に合わせて部品を選択し販売を行っていた。

ja.wikipedia.org

自作PCとは

自分でパーツを選んで購入し自ら(みずから)作るPCの略称なのですが、半田ごてを使ってチップを取り付けたりはしません。言い方的には自分で組み立てるPCと言うべきものです。

大事なことは「必要なパーツを選ぶこと」や「それらを買った後のこと」など、全て自分の責任で行うことです。

BTO PCの特徴その1

では、BTOのPCというのはどんな注文でも受けるのでしょうか?スマートフォンサイズのものすごく小さいサイズのPCを作ってくれ!という注文は受けてくれるのでしょうか?大雑把な答えをいうと「できない」です。理由は、決まりに沿った汎用の部品を組み合わせているためです。

自作用PCケースの例

NZXT (エヌゼットエックスティー) H5 Flow RGB White

NZXT H5 Flow RGB White

NZXT H5 Flow RGB White

H5 Flow RGB|NZXT|株式会社アユート PCパーツ・VR・オーディオ等周辺機器 総合代理店

BTO PCの例

サイコム Radiant GZ3500X670A

サイコム Radiant GZ3500X670A

サイコム Radiant GZ3500X670A

Radiant GZ3500X670A|ミドルタワーPC|BTOパソコン|BTO パソコン(PC)の【@Sycom】(サイコム)

サイコム Radiant GZ3500X670Aは、Fractal Design CORE 2500ベースのサイコム特注ケースを採用しています。

サイコムオリジナル標準PCケース

サイコムオリジナル標準PCケース「Fractal Design CORE 2550S Black」

Fractal Design Core 2500

Fractal Design Core 2500

BTO PCと自作PCの共通の特徴

その「決まり」は自作PCと同一と言っていいでしょう。

フォームファクタ

これら同じ決まり(規格)を大雑把に表す言葉の一つにフォームファクタというものがあります。フォームファクタは物理的な大きさの違いも指していて、ATXやマイクロATXMini-ITXなどがあります。例として挙げた上記PCケースとBTO PCはATXというフォームファクタになります。

BTO PCと自作PCは同じルールに沿っている

BTO PCと自作PCは同じルールに沿っているので、BTO PCに自作PC向けのパーツを利用することができますが、なんでも利用できるわけではありません。

物理的に入らないため大は小を兼ねません。また、サイズの大小に限らずパーツ自体の規格が違うと利用できません。例えば、CPUやメモリの規格等があげられます。

注意すべき点

BTO PCの保証は初期構成に対するもの、というところです。ユーザが自作PC向けのパーツを利用して中身を変えてしまうと保証は無くなってしまいます。

BTO PCの特長その2

ランク付けでバリエーションをつける

BTO PCを販売しているショップのBTO PC一覧ページをみると、ケースは共通でCPUやグラボの差でランク付けをされていることが多いと思います。

PCの各部品は様々な組み合わせがあります。仕様を知っていると選ぶ楽しみが増えるのですが、わからない人にとっては難しいものです。

例:「OSの起動が早くなるSSD搭載」というBTO PCの売り文句があったとします。 SSDには本来複数の種類があり「接続方法」や「使われているICチップ」によって変わりますが、それをイチから説明すると途端に難しくなってしまい、購入者にとって有益な判断材料にならない、といった理由により単純化して表現していることが多いわけです。

わからない人にとっては単純にしないと不親切になってしまいます。単純化する手法の一つとしては各部品の型番を示して類型化する方法が一般的です。

型番表記はするが製品名表記ではない

ゲーミングBTO PC「G-GEAR」を展開しているTSUKUMOのグラボランク付けは以下のようになっています。  (※2020年2月現在) 

  • RTX2080Ti
  • RTX2080SUPER
  • RTX2070SUPER
  • RTX2060
  • GTX1660Ti
  • GTX1660
  • GTX1650
  • GTX1050Ti
  • Radeon RX5700XT

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こだわりのゲームPC G-GEAR ツクモがおすすめする評判のゲーム用パソコン

GeForce RTX/GTXの場合、NVIDIAリファレンスなのか、ASUSのグラボなのか、MSIかEVGAかZOTAC玄人志向か……明言されていません。

NVIDIA GeForce搭載グラボメーカーの中ならELSAのグラボを付けたい!と、筆者のこだわりだけ書いておこうかと思います。

www.elsa-jp.co.jp

カスタマイズ例

上記表にあるRyzen 9 3950XまたはRyzen 9 3900X搭載のGA9A-J194/XTやGA9A-I194/XTの構成でRTX2070SuperやRTX2060、GTX1660Tiにしたいという場合、カスタマイズから選ぶことで搭載可能です。

TSUKUMOのBTO PCを例にしましたが、マウスコンピューターガレリアドスパラ)、パソコン工房LEVEL∞なども基本的に実情は同じです。

もちろん製品名を指定できる場合もありますし、大手PCパーツメーカーのASUSGigabyteMSIなどはCPUやHDDといったパーツ以外の「自社製品のみを使ったPC」を取り扱っていたりします。

製品ごとの特長を反映できない

PCパーツは性能に関して差別化を図るのが難しいため、付加価値を高める事で差別化を図っています。上記例のGA0A-J194/XTに採用されているマザーボードは、2020年2月現在、ASRock X570 Steel Legendです。

Steel Legend は、岩のように堅牢な耐久性と素晴らしい外観の哲学的な状態を表します。最も厳しい要求の仕様と機能を採用しています。Steel Legend シリーズは、デイリーユーザーとメインストリームのエンスージアスト向けです。 堅牢な材料とコンポーネントが、安定した信頼できる性能を確かにします。あらゆるタスクに対応するスタイリッシュなマザーボードです。

www.asrock.com

Steel LegendシリーズはASRock日本支社からの要望を大幅に取り入れたシリーズで、X570 Steel Legendも日本人好みの質実剛健マザーボードです。

X570 Steel Legendはもちろん良いマザーボードですが、水冷特化の超限定版X570 AQUAや各コンポーネントの質と量に厚みをもたせたハイエンドブランド「Taichi」シリーズのX570 Taichiなどは機能てんこ盛りを求めるユーザーに最適。お手軽版のX570 Pro4は機能と実装がシンプルなのでX570 Steel Legendより低価格。

というような、バリエーションに富んだ他のASRock X570マザーボードは選択肢に出てきません。他社メーカーのX570マザーボードも選ぶことはできません。

自作PCユーザーにとっては物足りない

製品を理解している人にとってBTO PCは構成の踏み込みが甘い、と感じる最大のポイントがこれでしょう。CPUをワンランク下げてOCメモリ、SSDはあのメーカー指定、といった柔軟な構成が難しいのです。

製品名で選ばない方が良い場合もある

自作PCをしている方であればメーカー名や製品名である程度特性を理解することはできますが、PCを購入する(もしくはPCを使う)行為にその知識は必須ではありません。必要ないこともままあるでしょう。むしろ選択肢が多いばかりで目的を果たさないまま、遠回りばかりしてしまう可能性もあります。

例えば、FortniteというゲームをPCで遊びたい人が目的をかなえるためには「RTX2070とGTX1650どっちが適しているか?」という情報のほうが必須です。FortniteはRTX2070のほうが快適に遊べる、とわかればいいだけなので、上記TSUKUMO BTO PCの表の例は非常にわかりやすいものになっています。

BTO PCの特長まとめ

  • 構成がわかりやすい
  • PC本体に保証がある。サポートがある
  • 特定の製品を指定できないことがある
  • 柔軟な構成が苦手

自作PCの特長まとめ

  • 柔軟な構成が可能
  • 構成が広すぎる
  • 全て自己責任
  • パーツ毎の保証はかけられるがPC本体には保証はない

次回は「BTO PCはなぜ特定製品を指定できないのか?」あたりを突っ込んでみたいと思います。

BTO PCの罠と自作PCの罠を書いてみる。次回記事

taxtax.hatenablog.jp

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