本稿はArchiss ProgresTouch RETRO TINYレビュー&紹介記事です。じゃんぱら吉祥寺店の店頭にて未使用Cherry MX Speed Silver搭載モデルを発見してしまったので衝動買いしてしまいました。以前レビューしたFILCO Majestouch Xacro M3Aとの違いにも注目してみました。
ARCHISITE ProgresTouch RETRO TINY
株式会社アーキサイトが展開するメカニカルキーボード「ProgresTouch」はスタンダードな外観が特徴。そんなルック&フィールをより際立たせる必要最低限の機能も特徴のド定番製品ラインということで、製品名に "RETRO(レトロ)" と追記がなされ他ブランドと差別化されるようになりました。まじでシンプルな全体像は、ギラってもないしおもちゃ感もない。使ってなんぼの実をとったメカニカルキーボードといえるでしょう。
そして、一番の特徴はキーの思い切った削除。筐体サイズは所謂65%なのですが、InsとDelキー周りをすっかすかにして、自分的にほぼ使ったことないScrLkやPause、Home/End、PageUP/DownをFnキー同時押しのみに絞っていること。このデザインは好きです。
需要の高い傾向があるカーソルキーを搭載しているのは先だってレビューしたFILCO Majestouch Xacro M3Aと同様ですが、(デフォルトの場合)フリーなM1~M3とFnキーを配置しているのとは対照的です。しかし、ProgresTouch RETRO TINYの場合は専用ソフトウェアの類はないのでこれで良いのでしょう。
Image via FILCO 所謂、65%と言われるサイズ感のメカニカルキーボード。フルサイズ・キーボードに搭載されているキー数の65%分、という意味で、キーボード本体のサイズではありません。あくまでキー数の数字となります。
FILCO Majestouch MINILA/MINILA-R等の60%では省略されがちなカーソルキーが搭載されるパターンが多いのが65%で、Majestouch Xacro M3Aも例に漏れずカーソルキー搭載。
Leopold OEM
メカニカルキーボード好きなら周知の事実かもしれませんが、ARCHISITE ProgresTouch RETRO TINYはLeopold OEM品です。
Image via Leopold
最近は、Leopoldの日本法人にて本国仕様準拠の製品も国内流通しています。個人的にはスペースキー分割の60%が気になります。
Cherryが近年リリースしていたMXの新Ver.(Cherry MX 2A)搭載モデルもあります。
ARCHISITE ProgresTouch RETRO TINYパッケージと付属品
箱、付属品です。日本語マニュアルと背面DIPスイッチ設定で変更できる配列用の交換キーキャップ、USB A to mini-Bケーブル、PS/2変換アダプタが付属しています。
キーボード本体側のUSB端子はmini-Bです。
背面にはDIPスイッチが4つ。DIPスイッチはCtrlやCapsLock、Fn、Windowsキーの配列が変更可能。変更した際には付属のキーキャップが活躍することでしょう。
Cherry MX Speed Silver(通称銀軸)
Cherry MX Speed Silver。キーキャップは表面PBT、2色成形です。
ProgresTouch RETROシリーズは、PC黎明期のキーボードで 広く使われた2色成形キーキャップ採用しています。 文字がキーキャップ樹脂の一部になっている為、長期間の使用 文による磨耗に対して、字が薄れてしまったり、消えてしまう 心配を解消します。また、文字部分だけでなく、一次成形側が 全体的に樹脂成形されており、標準的キーキャップと比べ 約0.5mmほど厚手で、しっかりした打鍵感を味わうことが出来ます。
相変わらずWindowsキーをキル(DIPスイッチでWindowsキーとFnキーをスワップ)している感じです。
購入先はじゃんぱら吉祥寺店で5,000円でした(未使用品)。
※本記事投稿で未だ在庫があるかわかりません。また、他の店舗にあるかどうかもわかりません
Archiss ProgresTouch RETRO TINYを使ってみる
手持ち65%3機種。左からArchiss(Leopold) ProgresTouch RETRO TINY、FILCO Majestouch Xacro M3A、Fnatic Gear Streak65です。
ProgresTouch RETRO TINYとMajestouch Xacro M3AはCherry MX Speed Siver、通称銀軸を搭載。
Fnatic Gear Streak65は、「Fnatic Speed」という名前がついているロープロファイルのスイッチとABSのロープロファイルキーキャップを組み合わせた初代モデルです。Fnatic Speedはご存じの通りKailhによるCherry MX Low Profile Speed、通称ロープロ銀軸のクローンです(Majestouch Stingray英語配列TKL Low Profile Speedを出すに至らなかったのでむしゃくしゃして買いました)。
Filco Majestouch Xacro M3AとArchiss(Leopold)ProgresTouch RETRO TINYは、ロープロファイルなFnatic Gear Streak65と違いスタンダードな高さ。で、共にCherry MX Speed Silverだから同じ感じでしょ?と思われるかもですが……所謂ステップスカルプチャの角度が微妙に違うこと、キーキャップの質感が絶対的に違う為、全く違うモデルだと感じます。
使う方自身の姿勢(比喩表現ではなく物理)やキーの叩き方、その日の体調でも微妙に違いますのでどちらが良い、とかは個人差が出ると考えているので、それを踏まえつつ個人の感想は以下の通り。
- FILCO Majestouch Xacro M3Aは全体的に打鍵感が軽く爽快
- Archiss(Leopold)ProgresTouch RETRO TINYは安定感が高い
Majestouch Xacro M3Aのキーキャップは軽く、ステップスカルプチャの角度がある感じ。ProgresTouch RETRO TINYのキーキャップはメーカーサイトの謳い文句同様、厚みがあるためかっちり感が高く、ステップスカルプチャの角度は弱め。
筐体だけパッと見るとProgresTouch RETRO TINYのほうが小さい感じですが手前まで広く、Majestouch Xacro M3Aはコンパクト感が強いです(繰り返しますが個人の感想です)。
採用されているキーキャップの特徴であるカスカスといったような擦れ感と、少し重みがあり滑らかな黒軸との相性が良く、常に叩いていたくなる心地でした。
打鍵音のとても静かな「ピンク軸」を選ぶと職場では最高の組み合わせのようにも思えます。
Majestouch Xacro M3Aは多用途オールマイティ、ProgressTouch RETRO Tinyはテキスト打ちで気持ちいいかも(Valorantでもごりごり使えますけれど)です。