Qualcommは、Windowsが動くPCに搭載できるSoC「Windows on ARM」を開発・改善し続けています(約3年間)が、既存のCPUメーカーに迫ることができていません。しかしOSとソフトウェア/アプリ対応等の外的要因も比重が大きく、Qualcommだけの問題ではないといえるではないでしょうか。
According to sources close to Reuters, NVIDIA is reportedly developing its custom CPUs based on Arm instruction set architecture (ISA), specifically tailored for the client ecosystem, also known as PC.
そして遂にその時が来た(来る)のかもしれません。北米時間2023年10月24日に発表したコードネーム「Oryon」と呼ばれるSnapdragon X Eliteは、Windowsデバイス向けに設計された次世代ARM SoCで、 Qualcommの子会社「Nuvia」が開発したARM SoCとなります。anandtechの同記事では、Qualcommが2021年初めに買収したNuviaにとっての集大成であり、Nuviaチームのさらに長い期間の取り組みの成果がSnapdragon X Eliteだとしています。
またSnapdragon X EliteはWindowsデバイス専用品ではなく、従来のマーケットであるスマートフォン等にも搭載されるであろうと述べられています。
リリースは2024年Q4以降
Snapdragon X Elite自体のリリースは2024年半ばと報じられていますが、同SoCが搭載されたノートPCやデバイスが小売店に並ぶまでにはさらに時間がかかると予想されています。
Snapdragon X Eliteのスペック
Qualcommは、Snapdragon X Eliteと同時にスマートフォンやタブレット端末向けの次世代ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 3」を発表しています。
CPUコアとGPUコアに加えて,AI処理に使うNPU(Neural network Processing Unit)の性能が大幅に向上しており,とくに生成AI(Generative AI)において効果を発揮するという。Snapdragon 8 Gen 3を搭載した製品は,ソニーやASUSTek Computer,RedMagic,Xiaomiなどの各メーカーから登場する予定だ。
4gamerでもSnapdragon X Eliteについて報じています。Intelの第13世代CoreシリーズやAppleのM2 Maxに比べて高い性能と電力効率を達成しているとQualcommはアピールしています。
また,Qualcommは,Windows PCやChromebook向け新型SoC「Snapdragon X Elite」も合わせて発表した。新開発のCPUコア「Oryon」を採用することで,Intelの「第13世代Coreプロセッサ」やAppleの「Apple M2 Max」といったプロセッサと比べて,高い性能と電力効率を実現するとアピールしている。Snapdragon X Eliteを搭載した製品は,2024年の中ごろに登場する予定だという。
anandtechではこの性能を出せた理由の一つに製造プロセスを挙げています。「TSMC N4は、Intel 7プロセスよりも大きな利点を提供するはずであり、TSMCのプロセスノードに依存していることは間違いない」と伝えています。Snapdragon X Eliteが来年発売される頃には、Intel 4ベースへと製造プロセスを進めた(また、成熟していくであろう)Meteor Lakeアーキテクチャ「Core Ultra」らと競合するスケジュールとなるため、Snapdragon X Eliteリリース時の状況はまた違うものとなっていくでしょう。