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Qualcomm、Windows on ARM「Snapdragon X Elite SoC」発表 /anandtech

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Image via anandtech

Qualcommは、Windowsバイス向けに設計された次世代ARM SoC「Oryon」と呼ばれるSnapdragon X Eliteを北米時間2023年10月24日に発表しました。2024年末から2025年にかけて搭載製品がリリースされていく予定、とされています。

www.anandtech.com

Qualcomm Snapdragon X Elite

QualcommはモバイルデバイスAndroidスマートフォン等)のARM SoC市場で大成功を収めているのはご存じの通りですが、他セグメントに進出、もっというなら成功に繋がる取り組みはこれまでのところできていません。

Windows on ARM

Qualcommは、Windowsが動くPCに搭載できるSoC「Windows on ARM」を開発・改善し続けています(約3年間)が、既存のCPUメーカーに迫ることができていません。しかしOSとソフトウェア/アプリ対応等の外的要因も比重が大きく、Qualcommだけの問題ではないといえるではないでしょうか。

昨今、「Appleを意識せざるを得ない」Microsoftの意向が働くようになり、AMDもARMベースのWindows向けCPUシーンに参入という噂もでてくるようになりました。

ArmベースのPC市場の拡大を狙うMicrosoftの意向がある。AppleApple Silicon搭載Macの提供を開始してから3年未満でシェアを倍増近くに伸ばしており、Microsoftはその成長を強く意識しているという。

news.mynavi.jp

NVIDIAはGraceというコード名で知られるARMベースのWindows向けCPUを開発しています。

According to sources close to Reuters, NVIDIA is reportedly developing its custom CPUs based on Arm instruction set architecture (ISA), specifically tailored for the client ecosystem, also known as PC.

www.techpowerup.com

そういった背景がありつつ、Qualcommが必要なことは「既存の製品を圧倒する性能や魅力を持つ製品をリリースすること」であった、という流れでしょうか。

Oryon

そして遂にその時が来た(来る)のかもしれません。北米時間2023年10月24日に発表したコードネーム「Oryon」と呼ばれるSnapdragon X Eliteは、Windowsバイス向けに設計された次世代ARM SoCで、 Qualcommの子会社「Nuvia」が開発したARM SoCとなります。anandtechの同記事では、Qualcommが2021年初めに買収したNuviaにとっての集大成であり、Nuviaチームのさらに長い期間の取り組みの成果がSnapdragon X Eliteだとしています。

またSnapdragon X EliteはWindowsバイス専用品ではなく、従来のマーケットであるスマートフォン等にも搭載されるであろうと述べられています。

リリースは2024年Q4以降

Snapdragon X Elite自体のリリースは2024年半ばと報じられていますが、同SoCが搭載されたノートPCやデバイスが小売店に並ぶまでにはさらに時間がかかると予想されています。

Snapdragon X Eliteのスペック

Qualcommは、Snapdragon X Eliteと同時にスマートフォンタブレット端末向けの次世代ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 3」を発表しています。

CPUコアとGPUコアに加えて,AI処理に使うNPU(Neural network Processing Unit)の性能が大幅に向上しており,とくに生成AI(Generative AI)において効果を発揮するという。Snapdragon 8 Gen 3を搭載した製品は,ソニーASUSTek Computer,RedMagic,Xiaomiなどの各メーカーから登場する予定だ。

www.4gamer.net

4gamerでもSnapdragon X Eliteについて報じています。Intelの第13世代CoreシリーズやAppleのM2 Maxに比べて高い性能と電力効率を達成しているとQualcommはアピールしています。

また,Qualcommは,Windows PCやChromebook向け新型SoC「Snapdragon X Elite」も合わせて発表した。新開発のCPUコア「Oryon」を採用することで,Intelの「第13世代Coreプロセッサ」やAppleの「Apple M2 Max」といったプロセッサと比べて,高い性能と電力効率を実現するとアピールしている。Snapdragon X Eliteを搭載した製品は,2024年の中ごろに登場する予定だという。

ハイエンドスマホ向けSoC「Snapdragon 8 Gen 3」が発表に。レイトレーシング性能が1.4倍に向上

anandtechの同記事では、Snapdragon 8cx Gen1からGen3までのスペックとSnapdragon X Eliteのスペックを表にしています。

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Snapdragon X Eliteのパフォーマンス

アーキテクチャの詳細がないためQualcommの発表そのまま、競合他社製品とのあいまいな比較となります。

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コアを12個搭載している点からもマルチスレッドのパフォーマンス向上に力を入れている様子が伺えます。実際、発表でのCPUパフォーマンス比較はマルチスレッドのみであり、シングルスレッドの比較はありません。

Snapdragon X Eliteは、12コアのIntel Core i7-1360Pに対してGeekbench 6で2倍のマルチスレッドパフォーマンスを実現。また、3分の1の消費電力で同じ基準のパフォーマンスを出せるとしています。 

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IntelノートPC向けCPUのメインストリームレンジである「H」クラスとの比較です。Core i 7-13800H(14コア)と比較してもSnapdragon X Eliteはパフォーマンスで60%リード、3分の1の消費電力で同じ基準のパフォーマンスを出せるとしています。

上記2つのグラフは現行のIntelノートPC向けCPUとの比較で、Qualcommの発表をそのまま受け止めるならば素性の良いCPU(SoC)のように見えます。

anandtechではこの性能を出せた理由の一つに製造プロセスを挙げています。「TSMC N4は、Intel 7プロセスよりも大きな利点を提供するはずであり、TSMCのプロセスノードに依存していることは間違いない」と伝えています。Snapdragon X Eliteが来年発売される頃には、Intel 4ベースへと製造プロセスを進めた(また、成熟していくであろう)Meteor Lakeアーキテクチャ「Core Ultra」らと競合するスケジュールとなるため、Snapdragon X Eliteリリース時の状況はまた違うものとなっていくでしょう。

興味深い点は、Qualcommが「不特定のARMベースの競合他社製SoC」に対してマルチスレッドパフォーマンスで50%の優位性があると報告していることで、AppleのSoCを暗示する意図が透けて見えます。

Image via anandtech

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3DMark Wildlife ExtremeのGPUパフォーマンスでもリードすることも示していますが、製造プロセスの利点と規模の大きいiGPUを構築する傾向を考えると驚くべきことではありません。

まとめ

Snapdragon X EliteベースのSoC搭載デバイスは2024年半ば以降に発売される予定ですが、そのスケジュールの場合、Intel Meteor Lake(Core Ultra)をはじめ、AMDNVIDIA、そしてAppleのMシリーズチップの最新アーキテクチャと競合していくことになるでしょう。

リリース前後の状況次第、というまとめになりますが、期待できるSoCのひとつであることには変わりありません。

 

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