2024年に伸長すると予想されている「AI PC分野」ではAMDとIntelが相変わらずしのぎを削っていますが、QualcommとAppleは非常に魅力的なARMベースのソリューションを既に持っており、2024年以降のAI PC分野でAMDとIntelに挑む準備が整っている、という内容の記事を紹介します。
2023年12月13日追記あり
AI PCマーケットでx86陣営は苦戦する?
昨今のPC業界ではARMソリューションへのシフトがある種のトレンドになっており、AppleがARMアーキテクチャのシェアを伸ばしている(特にノートPCの分野において)ことから、今後、Microsoft Windows OSが主流のPC業界でもARMアーキテクチャが広く採用されるようになるかもしれません。新興の競合他社がARMを採用する可能性も出てきています。
QualcommとMediaTekがかなり以前からこの規格を利用しており、モバイルデバイス業界では支配的な地位を占めていますが、QualcommはSnapdragon X Eliteとして知られる独自の「ARMベースのPC用SoC」を発表しており、性能を切り札にモバイルデバイス以外のPCまで食指を伸ばしています。Snapdragon X Eliteは2024年の半ばまでに店頭に並ぶと予想されています。
(追記ここから)
The Geekbench CPU benchmark stresses only the CPU cores in a system (not the GPU or other accelerators), with both single and multi-threaded workloads. The tests are comprised of a wide array of workloads including encryption processing, image compression, HTML5 parsing, physics calculations and other general purpose compute processing tasks.
(追記ここまで)
さらに、NVIDIAとAMDも2025年までにARMベースのCPU(SoC)を発表する可能性があると噂されており、x86アーキテクチャのCPUは厳しい競争にさらされることになりそうです。
Currently, the Hexagon processor unit used by Qualcomm in Snapdragon X Elite has reached an astonishing 45 TOPS. Intel, on the other hand, looks like it's struggling to catch up and isn't expected to reach comparable performance levels until the launch of its Lunar Lake platform in 2025.
As OEMs are keen to kick-start AI roadmaps on their devices, PC makers based on ARM processors have an opportunity to carve up a share of this emerging market segment. However, Intel still believes that their current product designs are sufficient to meet user needs for AI tasks in most use cases.
In addition, Apple's M3 chip reached 18 TOPS, which is only slightly higher than the M2's 15.8 TOPS. Although lower than the data of Qualcomm and AMD, Apple has a high degree of control over its hardware and software ecosystem, which will help the Mac series of computers provide a comparable AI experience with lower hardware specifications.
Canalys
QualcommがSnapdragon X Eliteで採用するHexagon processor unitは驚異的な45TOPSに達している。一方、インテルは追いつくのに苦労しているようで、2025年のLunar Lakeの発表まで同等の性能レベルに達することはないと予想されている。
OEMメーカー各社は自社のデバイスでAIロードマップをスタートさせようと躍起になっており、ARMプロセッサーをベースとするPCメーカーにはこの新興市場セグメントのシェアを切り開くチャンスがある。しかしIntelは、ほとんどの利用シーンにおいて現在の製品設計でAIタスクのユーザーニーズを十分に満たすことができると考えている。
また、AppleのM3チップは18TOPSに達し、M2の15.8TOPSをわずかに上回った。QualcommやAMDのデータよりは低いものの、Appleはハードウェアとソフトウェアのエコシステムを高度にコントロールしており、Macシリーズのコンピューターがハードウェアのスペックを下げても同等のAI体験を提供できるようになるだろう。
ARM-Based Chips From Qualcomm & Apple To Give AMD & Intel Tough Time In AI PC Segment In 2024
新興ARMベースメーカーも参戦?
次世代AI PC市場は現在、すべてのチップメーカーが成功を狙っている市場であることは間違いありません。各社ともAIワークロードを高速化する専用NPUをチップに搭載し、堅牢なソフトウェア・スタックとエコシステムを通じてさらなる機能を提供しています。
AMDはx86ベースCPU「Strix Point」でも対抗
Qualcommは現在、Snapdragon X Eliteで最大75 TOPSを提供するAIエンジンを発表しており、AMDは最大39 TOPS(NPUからは16 TOPS)のRyzen 8040「Hawk Point」APUのアップデートを発表したばかりです。一部報道ではARMベースのCPU(SoC)も開発しているとされていますが、2024年後半に登場するx86 CPU「Strix Point」もAI PC分野において期待を集めています。Strix PointではAI TOPSが最大3倍向上しXDNA 2 NPUだけで約50 TOPSに達すると予想されています。
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