AMD Radeon RX 6800からRX 7000シリーズへ乗り換えはあり?AMDのデスクトップ向けGPUを整理したい。その③(著者振り返り確認作業)
※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。またはプロモーション記事が含まれている場合があります
タイトル通り、AMD Radeon RX 6800から本稿執筆時最新のRX 7000シリーズへの乗り換えはどうだろうか?という考察記事です。また、サイト更新できていなかった時期の(筆者自身用)AMD dGPU振り返り記事3つ目となります。
AMD Radeon RX 7000シリーズへ乗り換え
最近の筆者はPCゲームプレイ等のdGPUヘビーな使い方ではなくCPUヘビーな音楽制作の割合が多いので、Radeon RX 6800は据え置きでCPUをアップグレードしたほうが良いという結論はあったりするのですが、表題の通りAMDのデスクトップPC向けGPUの動向をチェックする意味でもRDNA3なRadeon RX 7000シリーズへ乗り換えはありかなしか?をチェックしてみようと思います。
筆者環境
概要は以下の通りです。
- CPU:Ryzen 7 2700
- メモリー:W4U3200CM-16G(計32GB)
- M/B:ASUS ROG STRIX B450-I GAMING
- GPU:ASUS RADEON RX 6800(リファレンス)
- ストレージ:Corsair M.2 SSD 960GB Force MP510 series 【Type2280 / PCIe3.0×4 NVMe1.3】
- 電源:Corsair RM650x(2018)
- ケース:Corsair Carbide 88R
- モニタ:KG271UAbmiipx 27インチ/WQHD/1ms/144Hz/TN/非光沢
AMD Radeon RX 6800 スペック
AMD Radeon RX 6800はRDNA2アーキテクチャ / Navi2コアのハイエンド帯GPUでスペックは以下の通りです。マイクロATXケースを使っているので、スペックと消費電力のバランスが良かったRadeon RX 6800を選びました。
- GPUコア:Navi 21(Navi 21 XL)
- Shading Units:3840
- TMUs:240
- ROPs:96
- Compute Units:60
- RT Cores:60
- Pixel Rate:202.1 GPixel/s
- Texture Rate:505.2 GTexel/s
- FP16 (half):32.33 TFLOPS (2:1)
- FP32 (float):16.17 TFLOPS
- FP64 (double):1,010 GFLOPS (1:16)
- Base Clock:1700 MHz
- Game Clock:1815 MHz
- Boost Clock:2105 MHz
- Memory Clock:2000 MHz(16 Gbps effective)
- Memory Size:16 GB
- Memory Type:GDDR6
- Memory Bus:256 bit
- Bandwidth:512.0 GB/s
- Board Power:250 W
The Radeon RX 6800 is a high-end graphics card by AMD, launched on October 28th, 2020. Built on the 7 nm process, and based on the Navi 21 graphics processor, in its Navi 21 XL variant, the card supports DirectX 12 Ultimate.
NVIDIA GeForce RTXシリーズと比較するならば、性能はGeForce RTX 3080とRTX 3070の間、RTX 3070 Tiのほんの少し上か同じくらい。消費電力的にはRTX 3070と同レベル。ただし、レイトレーシング性能に関しては(解像度によりますが)GeForce RTX 3060 Tiと同レベルに落ち込みます。
Radeon RX 7000シリーズで直接的な後継モデルは本稿執筆時点においてありませんが、モデルナンバーやスペック的にはRadeon RX 7800 XTが該当します。しかしコア名を調べるとRadeon RX 7700 XT(Navi 32 XL)が後継「的」な気もします。
Radeon RX 6000シリーズとRX 7000シリーズはGPUのアーキテクチャを変更した以外にも、Infinity Cacheとレイトレーシングユニットを進化させたうえに「AI Accelerators」搭載の有無という違いがあります。
AMD Radeon RX 7800 XT スペック
- GPUコア:Navi 32(Navi 32 XT)
- Shading Units:3840
- TMUs:240
- ROPs:96
- Compute Units:60
- RT Cores:60
- Pixel Rate:233.3 GPixel/s
- Texture Rate:583.2 GTexel/s
- FP16 (half):74.65 TFLOPS (2:1)
- FP32 (float):37.32 TFLOPS
- FP64 (double):1,166 GFLOPS (1:32)
- Base Clock:1295 MHz
- Game Clock:2124 MHz
- Boost Clock:2430 MHz
- Memory Clock:2438 MHz(19.5 Gbps effective)
- Memory Size:16 GB
- Memory Type:GDDR6
- Memory Bus:256 bit
- Bandwidth:624.1 GB/s
- Board Power:263 W
- AI Accelerators:120
AMD Radeon RX 7700 XT スペック
- GPUコア:Navi 32(Navi 32 XL)
- Shading Units:3456
- TMUs:216
- ROPs:96
- Compute Units:54
- RT Cores:54
- Pixel Rate:244.2 GPixel/s
- Texture Rate:549.5 GTexel/s
- FP16 (half):70.34 TFLOPS (2:1)
- FP32 (float):35.17 TFLOPS
- FP64 (double):1,099 GFLOPS (1:32)
- Base Clock:1700 MHz
- Game Clock:2171 MHz
- Boost Clock:2544 MHz
- Memory Clock:2250 MHz(18 Gbps effective)
- Memory Size:12 GB
- Memory Type:GDDR6
- Memory Bus:192 bit
- Bandwidth:432.0 GB/s
- Board Power:245 W
- AI Accelerators:108
AMD Radeon RX 7800 XT / RX 7700 XTレビュー
概要を掴んでみる
まずは4gamerの記事をチェックしてみましょう。比較対象としてRadeon RX 6800もピックアップされているので本稿の主旨的にもわかりやすいレビュー記事です。Radeon RX 7800 XTはリファレンスのグラボですが、RX 7700 XTはサードパーティベンダーオリジナルデザインのグラボ(ASRock Radeon RX 7700 XT Challenger 12GB OC)となっており横並びではないのは残念です。
RX 7800 XTとRX 7700 XTの比較対象には,それぞれの置き換え対象としているRX 6800とRX 6700 XT,それらの上位モデルであるRX 6800 XTを用意した。また,競合製品として,RTX 4070 Ti,RTX 4070,RTX 4060 Tiを用意した。
ざっくりとした感想は以下の通りです。
- 世代間の差は小さい
- Radeon RX 6800の置き換え先はRX 7700 XTで、アップグレードするならRX 7800 XT
- Radeon RX 6800とRX 7700 XTを比較した場合、描画負荷が高いと差が縮まるが、負荷が低いと差が広がる
- Radeon RX 6800の消費電力スコアは優秀
本稿の主旨であるRadeon RX 6800からの乗り換え先として「アップグレード」をするならRX 7800 XTを選ぶほうが良いと思いますが、これら描画処理能力の差に現時点で約9万円~10万円弱というコストをかけることに対してどう思うか?というところがポイントになるでしょう。
ゲーム内設定を最低にしてフレームレートを稼ぎたいFPSを1080pでプレイしたい、といったニーズならば描画負荷が低いとスコア差が広がる挙動はポイント高いと思います。
レイトレーシングユニットの進化
レイトレーシングユニットを進化させたというAMDの発表はどうなのか?というポイントはTechPowerUpのレビューでチェックしてみたいと思います。「AAAな最新ゲームをレイトレーシングを有効にしてプレイしたい」というニーズもあります。筆者個人的にそのニーズは現状薄いのですが、ゲーマー的にアップグレードする理由の一つになるはずです。
TechPowerUpのSapphire Radeon RX 7700 XTレビューから、レイトレーシング有効時のフレームレートグラフを一部引用いたします。Radeon RX 6800とRX 7800 XTの数値も載っています。
レイトレーシングベンチマーク
Cyberpunk 2077(1080p)
Cyberpunk 2077(1440p)
Elden Ring(1080p)
Elden Ring(1440p)
Hogwarts Legacy(1080p)
Hogwarts Legacy(1440p)
Radeon RX 7700 XTの場合でもRadeon RX 6800から総じて性能があがっており、Radeon RX 7800 XTはRX 6900 XTレベルまで引き上げられている印象です。Hogwarts Legacyは前世代のRadeon RX 6000シリーズに届いていませんが、Elden Ringは大幅な向上が見られます。Cyberpunk 2077はそもそも重いゲームで、且つNVIDIA GeForce RTXシリーズ優位。ゲーム次第、というしごく当たり前な結果ですね。
消費電力
AMD RadeonはRDNA1 / Navi1世代からマルチモニター時の消費電力が高め、という数値が出るのでRadeon RX 7000はどうなのか気になります。TechPowerUpのレビュー記事ではだいぶ下がっている様子が伺えるので、新世代感があります。
マキシマムな数値では前世代と同じか少し下がっている印象です。
まとめ
一言。TechPowerUpのAMD Radeon RX 7800 XTのまとめにある「Only small gen-over-gen performance improvement」、つまり世代間の差が小さいのが問題という点につきます。
Only small gen-over-gen performance improvement
Radeon RX 6800はバランスも良く優秀だったんだな、と改めて思いつつも繰り返しとなりますが、「本稿の主旨であるRadeon RX 6800からの乗り換え先として『アップグレード』をするならRX 7800 XTを選ぶほうが良いと思いますが、これら描画処理能力の差に現時点で約9万円~10万円弱というコストをかけることに対してどう思うか?というところがポイントになるでしょう」という先の記述をまとめとしたいと思います。
これから新規で購入する場合やRDNA1 / Navi1世代以前からのアップグレードバスとしては最良だと思います。
また、将来のゲーム体験を向上させる可能性がある「レイトレーシングユニット」が進化、これからのPC体験に活かせる「AI Accelerators」も搭載しており、2024年以降のPC体験~PCゲーム体験向上を目的とするならばAMD Radeon dGPUの中で現状最もおすすめのシリーズです。
在庫限りRadeon RX 6800
ASRock アスロック Radeon RX 6800 Phantom Gaming D 16G OC RX6800 PGD 16GO|ツクモ公式通販サイト
関連記事