本サイト(ブログ)の更新期間が開いているうちに、CPUやGPUの世代交代も進んでいます。更新期間が開いてしまった期間、著者自身追っていない事が多いため改めて振り返り確認作業をしたいと思い本稿を記します。
まずはIntel CPUからです。
Raptor Lake
Intel CPUに関する記事は、第13世代Coreシリーズのコードネーム「Raptor Lake」の噂レベル記事近辺で止まっている状況です。
そのRaptor Lakeは北米時間2022年9月28日に正式発表されましたが、デスクトップPC向けのK型番モデルのみ。
2022年9月28日,Intelは,開発者向けオンラインイベント「Intel Innovation」を開催して,デスクトップPC向けの第13世代Coreプロセッサ(開発コードネーム Raptor Lake)を発表した。
追って北米時間2023年1月3日、ノートPC向けとK型番モデル以外のデスクトップPC向けRaptor Lakeが発表されました。
開発コードネーム「Raptor Lake」と呼ばれる第13世代Coreプロセッサは,2022年10月に,CPUコアの倍率ロックを解除した「K型番」モデルが先行して登場していた。今回発表となったのは,より幅広い製品に向けたモデルであり,いよいよ第13世代Coreプロセッサの展開が本番を迎えたわけだ。
Raptor LakeはAlder Lakeの改良版という位置づけであり、且つ本稿執筆時点においてIntelの最新アーキテクチャCPUです。
全方位隙のないラインナップはIntelのCPUらしいといえるかもしれませんが、第13世代Core下位モデルに関してはRaptor Lakeの機能制限版ではなく前世代のAlder Lakeベースとなっています。
第13世代Core下位モデル
第13世代Coreシリーズの下位モデルは、前述したとおりRaptor Lakeの機能制限版ではなく前世代のAlder Lakeベースです。
判別方法はステッピングがわかりやすく、B0ステッピングはRaptor Lakeで、C0とH0はAlder Lakeベースとされています。
ASCII.jp : Core i5にEコア革命!Core i5-13500/13400&Core i3-13100レビュー
Intelの苦しい台所事情と捉えるのか、NVIDIAやAMDのGPUでよくあるパターンなのでこれはこれでアリと捉えるのかでイメージが変わるかもしれません。
インテル INTEL CPU RPL-S CoreI5-13400F 10/16 4.60GHz 6xx/7xxChipset グラフィック機能なし 国内正規代理店品
Raptor Lakeレビュー
Raptor Lake K型番モデル
まずデスクトップPC向けCPUのフラグシップとなるK型番モデルのレビューをピックアップ。
自作PC界隈ではお約束気味なCINEBENCH R23では、前世代のAlder Lakeはもちろん、ライバルCPUであるAMD Ryzen 7000シリーズより数値が高い結果ですが、消費電力と発熱も高い点が気になります。
第13世代Coreは高い性能と引き換えに、より高い消費電力と発熱を許容した製品であることが分かる。実際に運用する際には、MTPは無制限ではなく、ある程度絞るほうが扱いやすくなるだろう。
より実際のPCの挙動、という意味ではこちらのレビューのほうが参考になるでしょう。また、Intelもゲーム性能の高さを売りにしているので、フレームレートがでるのか?も気になります。
処理によってRyzenに大きく負けるものもあれば、差がない場合もあり、快勝とは言えない状況だ。
Intel Coreシリーズに最適化したと謳うMount & Blade II: Bannerlordではよい結果が得られていますが、GPUにおけるゲーム最適化のCPU版という意味でも特筆すべき部分ではないかもしれません。
Raptor Lake K無し型番モデル
K無し型番モデルなら少し扱いやすいのでは?という疑問は、同じasciiのレビューでチェックしてみましょう。
Core i9-13900Kの消費電力が大きい点は既知の通りだが、MTP無制限で運用するCore i9-13900の消費電力もそれなりに大きい。ただ、Core i9-13900KほどCPUの温度限界を攻めるような挙動にはなっていないため、Core i7-13700Kに近い消費電力に収まっている。
Raptor Lake海外レビュー
gigazineではRaptor Lakeの海外レビューサイトのまとめ記事を公開しており、Raptor Lakeの良い部分を見ることができます。
第13世代Coreプロセッサをいち早く入手した複数の海外メディアが性能検証結果を報告していたのでまとめてみました。
Ryzen 7000シリーズよりシングルコア性能が高めで、マルチコア性能においても優勢な場面があるようです。実ゲームのフレームレートを測ったテストでは、NVIDIA GeForce RTX 4090との組み合わせで高いフレームレートを叩き出していますが、高性能な冷却システムは必要との指摘。
HotHardwareは「i9-13900K」の性能を最大限に引き出すためには、定格で動作させる場合であっても高性能な冷却システムが必要であると指摘しています。
Intel第13世代Coreプロセッサ「Raptor Lake」の海外レビューまとめ、ライバルRyzenとの性能差は? - GIGAZINE
Raptor Lakeレビューまとめ
CPU自体の性能はRyzen 7000シリーズと比べて同等と言って良いと思いますが、同等レベルの性能を出すために消費電力と発熱が大きくなっており、環境によっては扱いずらいというのが総合的な評価というところでしょうか。
インテル INTEL CPU RPL-S CoreI7-13700F 16/24 5.20GHz 6xx/7xxChipset グラフィック機能なし 国内正規代理店品
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チップセット
第13世代Coreシリーズ向けのチップセットとしてリリースされたのは700番台のチップセットです。
700番台のチップセットはコンシューマ向けで展開され、ヘビーなゲーム用やハイエンド向けのZ790、性能とコストのバランスをとったメインストリーム向けのH770、コスパ重視のB760の3モデルが用意されています。
ワークステーション向けの「W」とビジネス向けの「Q」は第12世代Coreシリーズ展開時にリリース済のW680とQ670を据え置き。エントリー向けもH610継続です。
第13世代 インテル Core プロセッサー・ファミリー(開発コードネーム:Raptor Lake-S)に対応するチップセットとして、インテル Z790 チップセット、インテル H770 チップセット、インテル B760 チップセットという、機能の異なる3つのインテル 700 シリーズ・チップセットが登場しました。この記事では継続して販売される前世代のインテル 600 シリーズ・チップセットの一部とあわせて、種類ごとの違いについてご紹介します。
700番台のチップセットを採用したマザーボードは前世代の第12世代CoreシリーズのCPUも対応しています。
本稿執筆時において新規でIntelプラットフォームを選ぶ場合、700番台のチップセットを搭載したマザーボードがおすすめです。
GIGABYTE Z790 AORUS ELITE AX-W ATX マザーボード [Intel Z790チップセット搭載] MB6162
ASUS INTEL 第13.12世代 LGA1700 対応 B760 搭載 micro-ATX マザ―ボード ROG STRIX B760-G GAMING WIFI D4 / 国内正規代理店品
GIGABYTE Z790 AERO G [intel Z790 チップセット搭載 ATX マザーボード] MB5927
Raptor Lakeまとめ
Intel CPU伝統ともいえるシングルコア性能の高さはきちんと示している印象があります。シングルコア性能を求めるゲーム、ソフトウェア / アプリを利用するといった場面で恩恵を得られる可能性が高いでしょう。マルチコア性能も良い結果を得られる場合もありますが、それらCPU性能を達成するために電力消費が高く設定されています。
PCでハイパフォーマンスを求める・求めたい方にとっては、消費電力や発熱の面を無視・許容できる事、CPU性能を如何なく発揮できる冷却環境を用意できる事などが必要になってくると思われます。
Meteor Lake
北米時間2023年9月19日には次世代CPUアーキテクチャ(コードネームはMeteor Lake)の詳細を発表し、正式発表は北米時間2023年12月14日を予定しています。
本発表で披露されたMeteor Lakeの仕様はあくまでノートPC向けCPUの話であり、デスクトップPC向けCPUは別の話。
同社自身が「ここ40年間で最も大きなアーキテクチャシフトを行った」と公言している。それほどに“自信たっぷり”な製品のようだ。
itmediaの解説記事前編では製造技術とCPUコアを中心に解説しています。
AMDのCPUで既に採用している技術(タイルアーキテクチャ≒チップレットアーキテクチャ)も取り込みつつ大幅な変更をしたCPU/SoCとなる、としています。
SoC Tileに搭載されるLP Eコア以外の機能と、Graphic TileやI/O Tileの詳細をひもとく。
解説記事後編では、NVIDIAやAMD GPUの仕様で目にしたことがあるであろうワード「AIプロセッサ」の話やI/O周り、内蔵GPUの解説が中心です。
- NPU(Neural-network Processing Unit:AIプロセッサ)」が搭載
- AV1のデコード/エンコードにも対応
- 内蔵GPU性能を大幅に強化
- 内蔵GPU名称を「Intel Arc Graphics」に
ざっくりいえば約4TFLOPSの演算性能があるということだ。動作クロックが半分の「1GHz」だとしても、約2TFLOPSの演算パフォーマンスは確保できる。
いずれにせよ、CPUに内蔵されたGPUとしては高性能であることは間違いないだろう。
Intel“逆襲”の鍵はやはり「AIプロセッサ」か 次世代CPU「Core Ultra(Meteor Lake)」を解説(後編)(3/4 ページ) - ITmedia PC USER
デスクトップPC向け第14世代Core
第14世代CoreのデスクトップPC向けCPUは本稿執筆時においてまだ正式なアナウンスはありませんが、Raptor Lakeの改良版でコードネームはRaptor Lake Refreshの可能性が高い、という噂が既定路線のようです。
itmediaの記事内でも触れられているFoveros技術を駆使したタイルアーキテクチャ採用のデスクトップPC向けCPUは、2024年後半リリースと予想される「Arrow Lake」から、とされています。
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