本稿はAMD Ryzen 5 7500Fのレビュー記事を紹介する内容となります。日本国内ではBTO PC経由で購入・利用可能なZen4なソケットAM5 CPUですが、海外では単品購入できるモデルです。iGPUがないので比較的格安に性能を得られる良いCPUという評となっています。
AMD Ryzen 5 7500F
Ryzen 5 7500Fは当初、中国市場のみで発売されたCPUです。最近になって北米やEUの小売店でも見かけるようになった(!)という記載がありますが実際はどうなのでしょうか?
More recently, it's been sighted in US and European retailers but it's still a bit of an elusive offering.
最近になって米国や欧州の小売店でも見かけるようになったが、まだちょっとつかみどころのない製品だ。
では、TechSpotの記事タイトル通りRyzen 5 7500Fは「The Most Affordable Zen 4 CPU」なのかチェックしてみたいと思います。
比較対象はIntel Core i5-13400F
TechSpotではIntelの第13世代Core i5を比較対象にしています。Ryzen 5 7500Fと同じくiGPUなし「F」型番のCore i5-13400Fです。
intel インテル Core i5-13400F(10C/16T,2.5Ghz,65W) BX8071513400F|ツクモ公式通販サイト
価格の直接的な比較はできませんが、上記Ali Expressの日本円表示価格とCore i5-13400Fの大まかな国内売価(約3.1万~)を比較すると、単純な売価のみの比較であればAMD Ryzen 5 7500Fのほうが安い結果となりました。しかし、送料等を鑑みると同じくらいに収まりそうです。
ちなみにRyzen 5 7600の国内売価は約3.0万~くらいです。
AMD Ryzen 5 7500F スペック
先に記事化した際、Ryzen 5 7500Fのスペックを載せました。Ryzen 5 7600のスペックと共に改めて引用いたします。
- Ryzen 5 7600:6コア12スレッド,定格クロック3.8GHz,最大クロック5.1GHz,L2キャッシュ容量6MB,L3キャッシュ容量32MB,TDP 65W (Max TDP 88W)
- Ryzen 5 7500F:6コア12スレッド,定格クロック3.7GHz,最大クロック5.0GHz,L2キャッシュ容量6MB,L3キャッシュ容量32MB,TDP 65W
Ryzen 5 7600とのスペック差が非常に小さいのがわかると思います。さらにECサイトの「価格だけ」をみるとiGPUを必要としない人にとって、 Ryzen 5 7500Fは間違いなく魅力的にうつる側面があります。
一方、Intel Core i5-13400Fは、6つのPコアで4.6GHz、4つのEコアで3.3GHzまで動作するCPUです。L3キャッシュも20MB搭載されていますが、L2キャッシュ周りは第12世代Coreの仕様を踏襲(Pコアは1コアあたり1.25MBで、Core i5-13600Kのような2MBではありません)。
AMD Ryzen 5 7500F ベンチマーク
dGPUはNVIDIA GeForce RTX 4090(Asus ROG Strix RTX 4090 OC Edition)を利用しています。
Fortnite
ゲームエンジンに「Unreal Engine 4」を採用したFortniteの場合、DX11 APIで差がつきました。
APIをDX12にしてレイトレーシングを有効にした場合、フレームレートはGPU側のリミット値で止まってしまいCPUの違いがでていません。
Spider-Man Remastered
Insomniac Engineを採用しているSpider-Man Remasteredでレイトレーシングを有効にした場合はCPUで差がでています。
The Last of Us
Naughty Dog Engineを使っているThe Last of Usの場合、1080pでは差がありますが、1440p、4kと解像度が高くなると差がなくなります。
Hogwarts Legacy
ホグワーツレガシーの場合、あまり差がついていません。Fortniteと同じくUnreal Engine 4を採用していますが、オンラインとオフライン、対戦要素ありとRPG等、ゲーム性が全然違いますしそもそもリリース日も違うので当たり前の話でしょう。解像度の違いによって差が出るということはありません。
レイトレーシングを有効にした場合も、Fortniteとは違った挙動を示しています。1080pや4kに比べて1440pで結構差がありますがどうなんでしょうか。
The Callisto Protocol
Unreal Engine 4をゲームエンジンに採用した別ゲームの例として「Callisto Protocol」のグラフを引用してみます。こちらはまた違った結果になっており、負荷の高い4kではほぼ差がでてません。
Call of Duty: Modern Warfare II
CoD: MW2の場合も、負荷の高い高解像度で差が縮まる、もしくは無くなっていく挙動を示しています。
消費電力
ベンチ計測に使用したセットアップのトータル消費電力では、AMD Ryzen 5 7500Fのほうが低い結果です。
AMD Ryzen 5 7500F レビューまとめ
他ゲームの結果はTechSpotの同記事でぜひチェックしてください。筆者個人的なざっくりまとめは、実ゲームのフレームレート計測というこのレビュー記事においてはAMD Ryzen 5 7500F優位。消費電力も低い結果です。
負荷が低い1080pにおいてRyzen 5 7500FとIntel Core i5-13400Fの差がでる場面が多く、1440pや4k時の高負荷状態だと差が縮まるもしくは無くなる、という感じです。
TechSpotのまとめも、Ryzen 5 7500Fは1080pでのゲームプレイに最適、エントリーレベルのゲーミングPCにとって魅力的な選択だとしています。
日本国内では単品購入不可
日本国内マーケットにおいてAMD Ryzen 5 7500Fの問題点?は、単品で購入することができないことです。上記Ali Express等から個人輸入という選択肢もありますが、個々人での判断と責任で行ってください。
日本国内ではOEM向けのみの製品展開となっており、BTO PCでしか購入することができません。詳しくは、以前上梓した記事をご確認ください。
日本国内ではOEM専用CPUのため、BTO PCで採用されています。カスタマイズから選べる場合が多いのでチェックしてみてください。
GB5A-A231/B - BTOパソコン eX.computer