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AMD Ryzen 7 8700GのiGPU(Radeon 780M)性能レビュー /TechSpot

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Image via TechPowerUp

AMD Ryzen 8000Gシリーズは、先行リリースしたノートPC向け「Ryzen 8040」シリーズと共通する構成のデスクトップPC向けCPUです。最大の特徴は、Socket AM5プラットフォームでモノリシックダイ構成のZen 4コア、RDNA 3アーキテクチャに基づいたRadeon 700MシリーズのiGPUを搭載している点です。本稿ではRyzen 8000GのiGPU性能をチェックしてみます。

www.techspot.com

AMD Ryzen 7 8700G

TechSpotのiGPU性能レビューを紹介します。同記事では、Ryzen 8000GシリーズのトップエンドCPUとなるRyzen 7 8700Gの性能をチェック。Ryzen 7 8700Gは、8C16T、TDP 65Wながらブーストクロック5.1GHzという高いクロックを備えるSocket AM5プラットフォームのデスクトップPC向けCPUです。

スペック

同じSocket AM5プラットフォームのデスクトップPC向けRyzenRyzen 7000」シリーズと大きく違う点は以下の通り。

  • 大規模なiGPU搭載
  • モノリシック設計
  • PCIeレーン数(プライマリPCIeスロットのスペック)
  • Ryzen AI(NPU)搭載の有無
 

Ryzen 3

8300G

Ryzen 5

8500G

Ryzen 5

8600G

Ryzen 7

8700G

Ryzen 7

7700

Price (OEM) $180 $230 $330
Release Date January 2024 January 31, 2024 January 2023
Cores / Threads 4/8 6/12 8/16
Base Clock 3.2 GHz / 4.0 GHz 3.2 GHz / 4.1 GHz 4.3 GHz 4.2 GHz 3.8 GHz
Boost Clock 4.9 GHz 5.0 GHz 5.1 GHz 5.3 GHz
Core Config 1+ 3 2 + 4 6 8 8
L3 Cache 8 MB 16 MB 32 MB
GPU Model 740M 4 CUs 760M
8 CUs
780M
12 CUs
RDNA 2
GPU Clock 2.6 GHz 2.8 GHz 2.9 GHz 2.2 GHz
NPU n/a Ryzen Al up to 16 TOPS n/a
PCI Express Lanes 14 PCIe 4.0 lanes 20 PCIe 4.0 lanes 28 PCle 5.0 lanes
TDP 65 watt
iGPU

人気の秘訣となっている「RDNA 3アーキテクチャRadeon 700MシリーズiGPU搭載」はローエンドdGPUを喰う性能を出す場合もあります。デスクトップPC向けRyzen 7000シリーズにも小規模なiGPUが搭載されていますが、Ryzen 8000Gシリーズと比べればおまけ程度に感じてしまうでしょうか。

しかし、TechSpotの同記事では「モノリシック設計でそれなりに大きなGPUも搭載しているため、標準的なRyzen 7000シリーズと比べてキャッシュ容量などが削減されている面もある」とも述べられています。Ryzen 7 8700Gは16MBのL3キャッシュを搭載しているのに対し、Ryzen 7 7700は32MBと2倍のL3キャッシュを搭載しています(L2容量は同じ8MB)。

CPU構造

デスクトップPC向けRyzen 7000シリーズのチップレット設計とは違い、Ryzen 8000Gシリーズはモノリシック設計です。モノリシック構造の利点のひとつはメモリのオーバークロックがし易い点です。iGPUを搭載していることもあり搭載メモリのクロックの幅が広いのはメリットしかありません。

PCIeレーン

デスクトップPC向けRyzen 7000シリーズに比べて、Ryzen 8000GシリーズのPCIeレーンスペックとレーン数は削減。Ryzen 7 700の場合、PCIe 5.0を合計28レーン実装していますが、Ryzen 7 8700Gは合計20レーンでしかもPCIe 4.0です。

PCIe周りで最も異なる点は主にdGPU(グラボ)を挿すプライマリPCIeスロットで、Ryzen 7 8700Gの場合はPCIe 4.0 x8で、Ryzen 7 7700の場合はPCIe 5.0 x16です。

Ryzen AI(NPU)

Ryzen 8700Gには、2024年2月時点でデスクトップCPU初の専用AIエンジン「Ryzen AI」が搭載されています。ノートPC向けRyzen 8040(Hawk Point)と共通するポイントであるといえるでしょう。XDNAアーキテクチャを採用した専用AIエンジンのクロックは1.6GHzで、CPUコアやGPUコアとは独立した「NPU "Neural Processing Unit"」と呼ぶことができるものです。

NPU搭載の有無によってゲームプレイに利点があるということは、現時点においてはありません。

テスト環境

AMD Ryzen 7 8700Gのテスト環境は以下の通り。

Ryzen 7 8700Gの比較対象として、AMD Ryzen 7 5700GAMD Ryzen 7 7700Intel Core i7-14700Kをピックアップ。条件違いでIntel Core i3-12100Fとも比較されています。

本稿執筆時点での日本国内販売価格は以下の通り。

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iGPU利用時ゲーム別結果

まずは各CPUの内蔵GPU(iGPU)利用時のフレームレート結果から。AMD Ryzen 7 8700Gの性能が突出しています。

Baldur's Gate 3

2023年のベストゲームにも選ばれるタイトルといえばBaldur's Gate 3です。Ryzen 7 8700Gの場合、Lowセッティングながら1080pで他CPUとは比較にならないフレームレートがでています。60fpsに届いていないのは残念です。

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Cyberpunk 2077

最近のゲームベンチで「重いゲームの例」としてよくでてくるのがCyberpunk 2077です。こちらもRyzen 7 8700Gは圧倒的。

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Counter-Strike 2

世界的に人気のタクティカルシューター/FPSのひとつ、Counter-Strike 2は上記2タイトルに比べて軽いゲームのため、Ryzen 7 8700Gがたたき出す「119」というアベレージfpsは驚きです。

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CoD: MW3

人気FPSシリーズ「Call of Duty」の最新タイトル、Call of Duty: Modern Warfare III(2023)では、Ryzen 7 8700GのiGPUはアベレージ60fpsを超えていきます。

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Fortnite

最近再び盛り上がりを見せているバトロワTPS、Fortniteにおいて144fps近いアベレージfpsを出すのがRyzen 7 8700Gです。前世代となるRyzen 7 5700Gの場合、60fpsを超えてくる点もピックアップしておくべきでしょうか。

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Fortniteの場合違うグラフもピックアップしてみます。dGPU(グラボ)にNVIDIA GeForce RTX 4090を利用した場合のメモリクロック違い「1% Lows(fps)」の結果グラフです。

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単純にメモリクロックが上がれば結果があがる、というシンプルな結果ですが、「Ryzen 7 8700Gの公式メモリスペックはDDR5-5200であり、5200スペックのメモリーを使用するとパフォーマンスが15%低下することも注目に値する」と同記事では述べられています。

AMD Radeon RX 6500 XT利用時ゲーム別結果

次はグラボ(dGPU)にAMD Radeon RX 6500 XTを利用した各ゲームフレームレートの結果で、Intel Core i3-12100Fの結果も追加されています。

AMD Ryzen 7 8700Gの高いiGPU性能は上記の通りでしたが、プライマリPCIeスロットのスペックはPCIe 4.0 x8なので、グラボ利用時はどうなるのか興味があります(Ryzen 7 5700Gも同じ)。

Radeon RX 6500 XTは本稿執筆時点において約2.5万~3万前後となっています。先に挙げた概算に3万円を足してみたリストは以下の通りです。

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Baldur's Gate 3

Baldur's Gate 3においてはfpsが伸びていません。しかし、Ryzen 7 8700GのiGPU利用時と、Ryzen 7 5700G+Radeon RX 6500 XTの結果がほぼ同じという点は注目しておきたいです。

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Cyberpunk 2077

Cyberpunk 2077の結果は、Baldur's Gate 3ゲームプレイ時より他CPUとの差が縮まっています。Ryzen 7 8700Gの場合、Radeon RX 6500 XTを追加した場合とiGPUのみの場合がほぼ変わっていないことに驚きです。

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Counter-Strike 2

Counter-Strike 2は他CPUとほぼ変わらない結果ですが、1% Lows(fps)の数値はRyzen 7 5700GやCore i3-12100Fとは少し差をだしています。同ゲームにおいては、iGPUのみではなくdGPU(グラボ)を追加したほうが良い結果がでるようです。

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CoD: MW3

Call of Duty: Modern Warfare III(2023)では、Ryzen 7 8700GのiGPU利用時のほうが結果が良い、という少し風変りな結果です。

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Fortnite

Fortniteの場合もdGPU(グラボ)利用時のほうが結果が良い、というゲームです。アベレージはあまり差がありませんが、1% Lows(fps)の数値には少し差がでてしまっています。

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複数dGPU利用時ゲーム別結果

比較対象をIntel Core i3-12100Fに絞り、dGPU(グラボ)をAMD Radeon RX 7900 XTX、Radeon RX 6600、Radeon RX 6500 XTと変えたそれぞれの結果を示しています。

本稿執筆時点でのAMD Ryzen 7 8700G単体は約6万円弱。Core i3-12100F+Radeon RX 6500 XTは約4.5万円。Ryzen 7 8700GのiGPU性能とCore i3-12100F+Radeon RX 6500 XTの価格対性能比にも注目です。

Baldur's Gate 3

Baldur's Gate 3の場合、CPU単位でみるならばCore i3-12100Fより高い結果を出すようです。面白い点は、Radeon RX 7900 XTXとRX 6600のアベレージスコアはあまり変わらず、1% Lows(fps)の数値で差が出ているところです。

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Cyberpunk 2077

Cyberpunk 2077の場合、Radeon RX 7900 XTX利用時においてのみCore i3-12100Fより高めのスコアを出しています。他dGPUはほぼ横並びか少し下、という感じでしょうか。

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Counter-Strike 2

この計測方法からわかるのが、Counter-Strike 2は「CPUヘビー」であるということでしょうか。Core i3-12100Fの結果がまさにそうで、ハイエンドのRadeon RX 7900 XTXとローレンジのRadeon RX 6500 XTであまり結果が変わりません。

Ryzen 7 8700Gの場合は少し違い、Radeon RX 7900 XTXとRX 6600を利用した場合でワンランク上のスコアをだしていきます。

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CoD: MW3

Call of Duty: Modern Warfare III(2023)では、Ryzen 7 8700G+Radeon RX 7900 XTXの組み合わせが圧倒的です。Core i3-12100F+Radeon RX 7900 XTXの場合は伸びがなく、CPU性能がボトルネックのようにみえます。

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Fortnite

Fortniteの場合、Ryzen 7 8700Gの結果は、dGPUの性能次第でリニアにあがっていきます。Core i3-12100Fの場合、CoD: MW3の結果と同様にCPU性能がボトルネックになっています。

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AMD Ryzen 7 8700G vs.Ryzen 7 7700

各ゲームタイトルにおいてAMD Ryzen 7 8700GとRyzen 7 7700の直接比較です。iGPU利用ではなく、dGPUにAMD Radeon RX 7900 XTXを利用しています。

この場合においてはRyzen 7 7700のほうがフレームレートが出ています。

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AMD Ryzen 7 8700G 消費電力

アイドル時のAMD Ryzen 7 8700Gの消費電力は41W、シングルコアの負荷で79Wとなり、全てのコアに負荷をかけると131Wとなりました。Spider-Manのゲームプレイ時には148Wとなっています。

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まとめ

強力なiGPU搭載CPUが登場すると毎回のように「ローレンジのグラボに並ぶのか」という点が強調されがちですが、未だに達成しないのが現実です。ゲーム自体のクォリティがあがり続け(負荷が高くなっている)たり、ゲーム内設定をどうするの的なそもそも論もありますが。AMD Ryzen 7 8700Gの場合もやはりグラボを搭載したほうがフレームレートがでる、というのは事実でしょう。しかし、(ゲーム自体やゲーム内設定に依存するのですが)近しい結果を出せる場合がある点は本稿執筆時点においてなかなか完成度の高いCPUであることは確かだと思います。

2台目PC用CPUとしてもおすすめですが、筆者的には最初のPCに搭載するCPUとしておすすめです。(BTO PCもですが)自作PCの場合、一般的に拡張性の高いスタンダードな構成をとることが多いと思うので、今後、ハイリフレッシュレートでゲームをプレイしたい場合はグラボを追加するだけです。

2台目PC用に使う場合、やはり小さ目なサイズでどれだけフレームレートをだせるか?というチャレンジをしたくなるCPUだと感じました。

 
 

 

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