Twitter(X)ユーザー「Harukze5179」が行ったAMDの出荷記録調査が共有され、AMDのNavi 31、Navi 32、Navi 33各コアに対応する「Cuarzo」のコードネームが明らかになりました。この出荷指示書に記載されているdGPUの多く(合計43種類)は、既に何らかの形で市場に出回っているものですが、中にはまだ正式に存在していないdGPUを指しているものもあります。
※リーク情報のため不確かな情報も含まれる場合があります
Cuarzo Verde(Navi 32)
Navi 32コアは現在、AMD Radeon Pro W7700、RX 7700 XT、RX 7800 XTの名称でワークステーション用またはデスクトップ用グラボに採用されています。RX 7700/RX 7800シリーズに非XTモデルは存在しませんが、すでに非XTモデルのリリース予想がでています。
ユーラシア経済委員会への規制当局への提出書類には「RX 7600 XT」、「RX 7700」、「RX 7800」というモデルネームが記載されており、これらはAMD Radeon RX 7600とRX 7700 XT、そしてRX 7800 XTの間を埋めるものであるように見えます。
また、Navi 32コアを採用したノートPC向けdGPUは本稿執筆時点ではありませんが、Twitter(X)ユーザーの「Harukze5179」が示した "出荷指示" には、まだ存在しないノートPC用「Cuarzo Verde(Navi 32)」dGPUを指している可能性がある、とguru3dでは述べています。
AMD Radeon RX 7700M?RX 7800M?
本稿執筆時点で確認できるノートPC向けNavi3.xアーキテクチャdGPUは以下の通りで、Navi 31コアかNavi 33コアしか存在していません。
- Radeon RX 7600M(Navi 33)
- Radeon RX 7600M XT(Navi 33)
- Radeon RX 7900M(Navi 31)
- Radeon RX 7700S(Navi 33)
- Radeon RX 7600S(Navi 33)
末尾MとSの違いは、AMD公式サイトによると以下の通りです。
最新の AMD RDNA™ 3 アーキテクチャに基づき構築された AMD Radeon™ RX 7000M シリーズ GPU により、最先端のビジュアルと高 FPS ゲーミングに対応する、きわめてワット パフォーマンスの高いモバイル プラットフォームが実現します。
AMD Radeon™ RX 7000S シリーズ グラフィックス カードにより、最新の AMD RDNA™ 3 アーキテクチャが持つ効率性が最大限に活かされ、低電力で卓越したパフォーマンスを実現します。
M型番は言わずもがな、普通にノートPC用dGPUです。末尾S型番は、薄型軽量ノートPC用で、最大100W以内の範囲でパフォーマンスを出す設計のdGPUです。
Radeon RX 7700S / Radeon RX 7600Sは、薄型軽量ノートPC用として設計される「末尾S型番dGPU」です。前世代「Radeon RX 6000S(RDNA2)」シリーズのRDNA3版といえるでしょう。ゲーム性能を強化し、最新のゲームやコンテンツ制作を支える高いパフォーマンスを100W以下の電力で提供する、としています。
Radeon RX 7700Sの場合、一部の1080pゲームプレイにおいて前世代より平均29%高いパフォーマンスを謳っています。
今回リークされた情報のdGPUは、ノートPC用のNavi 32コアではないだろうか?というのが主旨となります。
モデル名は、ラインナップの間を埋めるRadeon RX 7800MもしくはRX 7700Mが有力候補ですが、RX 7800Mの声が大きいようです。問題は、AMD dGPUを搭載するノートPCの選択肢がかなり限られること、さらに、ミドル~ハイミドルという激戦区でAMDのノートPC向けdGPUがどれだけ採用されるのか?というところだと思われます。
Navi 32コア
Navi 32コアは、基本的に1080pおよび設定低めの1440pでのゲームプレイ向けに設計されています。レイトレ性能はNVIDAに及びませんが、基本性能では(ある側面において)良い性能を叩き出します。デスクトップPC向けグラボで例えるならRadeon RX 7800 XTとGeForce RTX 4070が同じようなレベルです。価格競争力もそれなりにあるグラボもありますが、ノートPCとなると搭載されるモデルがほとんどないというのが実情です。これらの予想が当たり、無事、Radeon RX 7800M(もしくはRX 7700M)がリリースされたとしても搭載するノートPCが無いと意味がありません。もしかしたらミニPCのほうで多く見られるdGPUになるかも?