帯域幅256ビット|AMD好きの自作PC速報

AMD好きによる自作PCパーツ, 自作PC向けのテック系記事サイト。主に海外サイトのリーク情報やベンチ記事を翻訳、解説します。CPUやマザボ, グラボの最新情報が強いはず。AMD情報多めです

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。またはプロモーション記事が含まれている場合があります

Zen4c採用AMD Ryzen 7000シリーズ発表・Zen4cコア詳細 /anandtech

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。またはプロモーション記事が含まれている場合があります

Image via AMD

 

北米時間2023年11月2日、AMDは低消費電力向けに最適化した「Zen4c」と呼ばれるZen 4ベースの新型CPUコアを採用する新CPU/APU計2モデルを発表しました。より低い消費電力を求めるノートPCやモバイルデバイス向けのZen4世代CPU/APUです。

www.anandtech.com

Zen 4cコア採用ノートPC向けRyzen 7000シリーズ

今回追加されたモデルは「Ryzen 7040シリーズ」の「末尾U型番」のみ。

Imege via 4gamer

正直ぱっと見よくわからないのですが、4gamerの記事の一文が纏まっていて理解が進みやすいので引用いたします。また「エントリー市場向けPCに切り込む」というタイトル通り、型式的にローレンジ帯を充実させたいAMDの意図がみえるようです。

Zen 4cコアを採用した新CPUは,Zen 4コア×2+Zen 4cコア×4で6コア12スレッド仕様のRyzen 5 7545Uと,Zen 4コア×1+Zen 4cコア×3で4コア8スレッド仕様の「Ryzen 3 7440U」がある。Ryzen 5 7545Uは新製品だが,Ryzen 3 7440Uは,型番はそのまま中身がZen 4cモデルへ移行する。

なお,既存の6コアモデル「Ryzen 5 7540U」はそのまま併売となる。

www.4gamer.net

まとめると以下の通りとなりますが、旧モデルから型番がスライドするモデルや近しいモデルナンバーがある点などわかりづらいラインナップだと感じます。

  • Zen4cコア搭載の新しい構成となるCPUは、Ryzen 5 7545UとRyzen 3 7440Uがある
  • Ryzen 3 7440UはZen4cコア非搭載の旧モデルから型番スライド
  • Zen4cコア非搭載のRyzen 5 7540Uは併売

AMD公式スペック表

Zen 4コア+Zen 4cコアの新CPUが混じるのでAMDのサイトで正確な情報を把握しておきたいところですが……日本国内向けのAMDサイトでは単純化されているので注意が必要です。詳細スペックはグローバルサイトにあります。

AMD Ryzen 5 7545Uスペック表

Ryzen 5 7545Uを例に。日本国内向けのAMDサイトでは6C12Tとだけ記載されていますが、AMDグローバルのほうには「2 x "Zen4", 4 x "Zen4c"」と詳細が記載されています。

Image via AMD

Zen4cコアとは

anandtechの記事ではZen4cコアがどういうものか理解が進む内容となっています。

There's some nuance to pick apart with AMD's decision to use Zen 4c within their mobile platforms, as AMD highlighted at the launch of Bergamo that the 'c' in Zen 4c stands for 'Cloud,' and it's interesting to see AMD opting to integrate Zen 4c in a primarily low-end consumer segment.

AMD Unveils Ryzen Mobile 7040U Series with Zen 4c: Smaller Cores, Bigger Efficiency

「c」の意味するところはCloudとのことですが、おそらくクラウド領域のクラウドでしょう。

Zen4cは既にサーバーセグメントCPUのEPYCに実装されていますが、コンシューマ向けとしてはRyzen Z1(非Extreme)にも実装されている、と述べています。

Zen 4c was already silently released in the consumer market as part of the Ryzen Z1 (non-extreme) CPU used in ASUS's ROG Ally handheld (2x Zen 4 + 4x Zen 4c), and now Zen 4c is getting a proper welcome in the consumer market with its use in a set of Ryzen laptop chips.

AMD Unveils Ryzen Mobile 7040U Series with Zen 4c: Smaller Cores, Bigger Efficiency

Ryzen Z1(非Extreme)は同記事の指摘通り、ASUS ROG Allyに搭載済み。

www.4gamer.net

 

ASUS ゲーミングPC ROG Ally RC71L 7インチ Ryzen Z1 Extreme メモリ16GB SSD512GB リフレッシュレート120Hz Windows11

Image via ASUS

ASUS ゲーミングPC ROG Ally RC71L 7インチ Ryzen Z1 Extreme メモリ16GB SSD512GB リフレッシュレート120Hz Windows11 ポータブル 重量608g ホワイト RC71L-Z1E512

www.4gamer.net

 

Zen4cコア最大の目的はZen4の機能を実現する実装をより小さなサイズで実現すること。その代わりクロックはZen4まで高くならず、トータルでより小型で電力効率の高いコアとなるそうです。

The core purpose of the Zen 4c core is to be a feature-identical implementation of Zen 4 in a smaller size. It is a compact core that trades clockspeeds for compression, using denser libraries that can't clock as high, but in turn make for a smaller and more power efficient core overall.

AMD Unveils Ryzen Mobile 7040U Series with Zen 4c: Smaller Cores, Bigger Efficiency

コア自体の実装はZen4とZen4cでは変わっていないというAMDのスライドも提示しています。

Image via anandtech

ASUS' ROG Ally is equipped with AMD's Z1 chipset, including the higher-end Z1 Extreme which is what our review unit is packing. The smaller, yet powerful unit costs more than the Steam Deck, yet the unit feels perfectly poised to challenge Valve's dominance in the space. After weeks of testing, both at home and the on-the-road experience with the ROG Ally, I've come away really impressed with ASUS's foray into handheld PCs.

ASUSのROG Allyは、AMDのZ1チップセットを搭載しており、レビュー機が搭載しているのは、よりハイエンドのZ1 Extremeだ。小型ながらパワフルなこのユニットは、Steam Deckよりも高価だが、この分野でのValveの優位性に挑戦する態勢は完璧に整っていると感じられる。数週間にわたる自宅でのテストとROG Allyの路上での体験の結果、私はASUSのハンドヘルドPCへの進出に大きな感銘を受けた。

www.mmorpg.com

ASUS ゲーミングPC ROG Ally RC71L 7インチ Ryzen Z1 Extreme メモリ16GB SSD512GB リフレッシュレート120Hz Windows11

Image via ASUS

ASUS ゲーミングPC ROG Ally RC71L 7インチ Ryzen Z1 Extreme メモリ16GB SSD512GB リフレッシュレート120Hz Windows11 ポータブル 重量608g ホワイト RC71L-Z1E512

スペック表

ラインナップとスペックがわかりやすい表がありますので引用いたします。

AMDのコア数/スレッド数表記はZen4とZen4cを合わせた数値を掲出。そのルールだと置き換えとなるRyzen 3 7440Uの文字面上のスペックは同一のものになります。Ryzen 5 7545UとRyzen 5 7540Uも同一です。

Image via anandtech

Ryzen 5 7545UとRyzen 5 7540Uの場合、表面上のスペックは同一ですが、おそらく搭載されるノートPCやデバイスで違いが出てくるのではないでしょうか。

Ryzen 3 7440Uの場合はそもそも筐体をよりコンパクトに、よりバッテリーを持たせる機器向けのCPU/APUと想定するので、Zen4c搭載CPUのほうが都合が良いためリプレースすることにしたという判断だと思われます。

 

既存ラインナップ

今回追加されたモデルは「Ryzen 7040シリーズ」「末尾U型番」のみで、エントリークラスのノートPCやモバイルデバイス向けCPU/APUを補強・拡張するラインナップといえます。

既存ラインナップに関しては大きな動きはないため、改めて過去記事からAMD ノートPC用Ryzen 7000シリーズラインナップ整理まとめを再掲いたします。

既存ラインナップのまとめ

まずは米国時間2023年1月4日の基調講演内でRyzen 7045、Ryzen 7040、Ryzen 7035、Ryzen 7030、Ryzen 7020各ラインナップが発表されました。

AMDのノートPC向けCPU/APU過去製品では「HX」「HS」「U」の識別子を末尾に入れてターゲットとする製品カテゴリを判別しています。ノートPC向けRyzen 7000シリーズでも「HX」「HS」「U」の識別子は踏襲されていて、その点ではわかりやすいラインナップといえるでしょうか。

  • HX:DTR・ハイエンド向け。想定TDP 45W~75W以上
  • HS:メインストリーム。想定TDP 35W~45W
  • U:薄型ノートPC向け。想定TDP 15W~28W

HX型番はRyzen 7045のみに限られているようですが、HS型番はRyzen 7040の他、Ryzen 7035にも見られます。

ノートPC版Ryzen 7000シリーズの製品名

少しわかりにくいのですが、(例えば)Ryzen 7045の「0」の桁部分はシリーズ名で表記される場合の数字であり、製品では違う数字が入ります。

また、Ryzenのグレードを示す「9」と「7」、「5」といった数字も入ります。

製品名の例:Ryzen 9 7945HX
  • Ryzen CPU内グレードを示す「Ryzen 9」
  • Ryzen 7000シリーズを示す「7」
  • 「0」の部分はRyzen 7045内での相対的な性能を示す数字(例は9で一番上)
  • 「45」の部分はノートPC向けRyzen 7000シリーズの区分
  • 「HX」の部分はターゲットカテゴリの識別子

AMD CPU動向を確認してみたい前編 1/2(著者振り返り確認作業)(追記あり) - 帯域幅256ビット|AMD好きの自作PC速報

Ryzen 7045

Ryzen 7045は「"ノートPC向けにチューニングした"Zen4ベースのデスクトップPC向けRyzen 7000シリーズそのもの」だとしています。

  • Ryzen 9 7945HX3D:16コア32スレッド,定格クロック2.3GHz,最大クロック5.4GHz,キャッシュ容量144MB,TDP 55-75W+
  • Ryzen 9 7945HX:16コア32スレッド,定格クロック2.5GHz,最大クロック5.4GHz,キャッシュ容量80MB,TDP 55-75W+
  • Ryzen 9 7845HX:12コア24スレッド,定格クロック3.0GHz,最大クロック5.2GHz,キャッシュ容量76MB,TDP 45-75W+
  • Ryzen 7 7745HX:8コア16スレッド,定格クロック3.6GHz,最大クロック5.1GHz,キャッシュ容量40MB,TDP 45-75W+
  • Ryzen 5 7645HX:6コア12スレッド,定格クロック4.0GHz,最大クロック5.0GHz,キャッシュ容量38MB,TDP 45-75W+
Ryzen 7040

Zen4アーキテクチャCPUとRDNA3アーキテクチャGPUの組み合わせを採用したAPUで、ノートPC向けRyzen 7000シリーズのメインストリームセグメントとなります。

  • Ryzen 9 7940HS:8コア16スレッド,定格クロック4.0GHz,最大クロック5.2GHz,キャッシュ容量40MB,TDP 35-45W
  • Ryzen 7 7840HS:8コア16スレッド,定格クロック3.8GHz,最大クロック5.1GHz,キャッシュ容量40MB,TDP 35-45W
  • Ryzen 5 7840HS:6コア12スレッド,定格クロック4.3GHz,最大クロック5.0GHz,キャッシュ容量38MB,TDP 35-45W
Ryzen 7035、Ryzen 7030、Ryzen 7020

Ryzen 7035とRyzen 7030はリネーム品で、Ryzen 7020はZen2世代のCPU/APUを改良したコードネーム「Mendocino」と呼ばれるエントリー向け、と解説されています。

  • Ryzen 7035:Ryzen 6000シリーズ(コードネーム:Rembrandt)に改良を加えてリネームしたもの。新たなコードネームは「Rembrandt-R」
  • Ryzen 7030:Ryzen 5000シリーズ(コードネーム:Barcelo)に改良を加えてリネームしたもの。新たなコードネームは「Barcelo-R」
  • Ryzen 7020:Zen2改良版。コードネームは「Mendocino」

Mendocinoは4コア8スレッドのZen 2世代のCPUコアを採用し、RDNA 2ベースの統合GPUとDDR5メモリコントローラを組み合わせたものです。

 

 


※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。またはプロモーション記事が含まれている場合があります
Copyright © 2020-2023 帯域幅256ビット|AMD好きの自作PC速報 All rights reserved.