久しぶりに次世代プレイステーションのPS5と次世代XboxのXbox Series Xの話。ですが、画像はSilverStoneの煙突ケース、というところに何か感じてもらえれば幸いです。
CES2020でAMDが偽のXbox Series X背面パネルを出した件は、馬と鹿だなとは思いますが、ぱっと見で「こんなもんだろうなー」と流してしまえる程、想像や予想がしやすいので、この初見殺し的な展開は致しかなないでしょう。
次世代XboxであるXbox Series Xの筐体をマイクロソフトが発表した際にも別段驚きませんでした。事前に漏れ伝わるスペックからするとMini-ITXプラスαの大きさは納得。
SilverStoneのケースじゃん!と、別の意味で驚きましたが。
この形状は煙突効果を得る構造になっています。
http://www.gdm.or.jp/archive/review/case/silverstone/SST-FT03S-MINI/index_01.html
光学ドライブのスリット幅を基準に比較してみると、Xbox Series Xの大きさがわかりますね。
Xbox Series Xのスペック
Xbox Series Xのスペックはだいたいこんなかんじです。筆者個人が重要だと思った部分を太字にしています。
・AMD Zen 2 アーキテクチャのCPUは Xbox One X の4倍高速
・Navi ベースのGPUは Xbox One X の2倍、無印Xbox Oneの8倍高速
・4K 60fps描画対応。および最大8K解像度、最大120Hzリフレッシュレート、可変リフレッシュレートにも対応。
・Variable Rate Shading 対応。描画する部分の視覚的な重要性によりシェーディング精度を最適化する機能をGPUレベルでサポート
・NVMe 接続SSD、GDDR6メモリ採用。量はどちらも未公開
・仮想RAMとしても働く高速なSSD採用で、新たにマルチレジュームに対応。現行の Xbox One は直前に遊んでいたゲームならば中断した点から再開できるのに対して、Series X では複数のゲームを切り替えて遊ぶ場合でも、起動やセーブデータのロードなどは不要で即再開できる。
・Dynamic Latency Input。ゲームのレンダリングパスとコントローラからの入力(タイミング)を同期させることで、低遅延・高速応答させる技術。
PS5のスペック
次世代プレイステーションのPS5の場合もXbox Series Xと同等のスペックが予想されています。
- CPU:Zen2コアのRyzenベースのカスタムCPUで8コア16スレッド
- GPU:「レイトレーシング機能を搭載したNavi(RDNA)」のカスタムGPU
- SSD:Xbox Series Xと同様、NVMe接続のM.2タイプと予想
Ryzenカスタムのクロックや、NaviカスタムGPUのCU、クロック等は未だ判明していません。
PCと同じスペック?
2020年2月時点において、Zen2コアのRyzenやNavi(RDNA)コアのRadeonはAMDの主力製品なので、PC向けのものと同じものだと思ってしまうかもしれません。
しかし、PC版とはイコールではないことはPS4やXboxの過去の例を見ればわかります。
PS5, Xbox Series X搭載のRyzenとは
PS4とXbox Oneシリーズに採用されているAPU(CPU+iGPU)のCPU部分は、Jaguarと呼ばれるシリーズのカスタム版です。
Jaguar(ジャガーもしくはジャギュア[1])はAMDによってデザインされた2世代目の低消費電力CPUコアのマイクロアーキテクチャのコードネームである。
Jaguarは所謂、組み込み向け用の低消費電力CPUです。主に産業用マザーボードに搭載され、粉塵の多い環境や振動の多い装置内、車載、屋外のデジタルサイネージなどに利用されるモデル。
ゲームコンソール機の本業はゲームを動かすことなので、ゲーム画面を描画するGPUの仕事が重要です。それら以外、OSの動作やバックグラウンドで動かす微細なゲーム以外のプログラムなどはゲームプレイを阻害しない程度であれば良いわけで、そういった部分を担うCPUは必要最小限でよいのです。家電であることを考えると、低消費電力の組み込み向けCPUは理にかなった選択だと思います。
ゲーム本体の動作にCPUはまったく関与しない、というのは間違いですが、占める比率は少なくなります。ユーザーの体感的な話をすると、ゲームのロード時間はCPUの性能に依ると思われます。
Xbox Series Xの説明にはカスタムJaguarを積んだXbox One Xより4倍、という表現がありますが何をもって4倍なのかはわかりません。しかしJaguarアーキテクチャの素性を考えると、PC版のRyzenとは方向性が異なる方向のものでしょう。PS5に搭載されるであろう、Xbox Series Xと≒(ニアイコール)なCPUも同様。
PS5, Xbox Series X搭載のNaviとは
PS5とXbox Series Xに搭載されるGPUには「レイトレーシング」という機能が搭載されるとされています。
現行のAMD GPUラインナップにはレイトレーシング機能を搭載したGPUはなく、2020年にリリースされるNavi2コア(RDNA2アーキテクチャ)、"Big Navi" から搭載されるとされています。
PC版では、現行Naviのリフレッシュ版もリリースされる予定です。
筆者妄想ですが、Navi2(RDNA2)は現状AMDがカバーできていないハイエンドからリリースされると考えます。型番的にはリークされているRX5950XTやRX5950で、これらはNVIDIA GeForce RTX2080SuperやRTX2080Tiと勝負したいGPUになるでしょう。
それを踏まえて上記Xbox Series Xの情報からすると、PS5やXbox Series X搭載のGPUは、RX5500XT以上RX5600以下といった規模ではないでしょうか。
PS5とXbox Series XはRTX2080Ti相当というウソ
「レイトレーシング機能搭載のNavi」という言葉が先行しているので、新しいPS5はPCハイエンドグラボのNVIDIA GeForce RTX 2080Ti相当といったことが言われたりしていましたが、それはないと思われます。
PS5の筐体はどのようになるかわかりませんが、Xbox Series Xの小型煙突ケースを見るに、あの大きさのケースにRTX2080Ti相当のGPUを突っ込むのは無理があるよな、というところと、Xbox Series Xの能力を示す「4K 60fps描画対応。および最大8K解像度、最大120Hzリフレッシュレート、可変リフレッシュレートにも対応」という部分をみてもRTX 2080Ti相当ではない、と思います。
他のスペック
筆者個人はPCでゲームをします。メインで遊ぶゲーム本体はNVMe接続のSSD、サブはSATAのSSDにインストールしています。ゲームコンソールは持っていません。
そのような筆者が初めてPS4を動かしたときに感じたのは、ゲーム本体のロード時間の長さ。ゲーム機用SSDが売っていたり、なぜSSD換装などの情報がたくさんあるのか理解できました。
コンシューマーゲーム機ユーザーが最も欲している機能はゲームロード時間の短縮化ともいわれていますので、CPUやGPUの変更よりNVMe SSD採用が最も歓迎されるアップグレードになると想像します。
ISFEとIpsos MoriのGameTrack消費者調査では,高速なロード時間の需要がグラフィックスの向上に次いでいることが分かった。 VRとハンドヘルドモードはそれほど重要ではない。
PS5とXbox Series Xが発売された後、YouTubeに投稿される多くの動画は「ゲームが立ち上がる速度を褒める」のではないでしょうか。
Dynamic Latency Input
PS5の話ではありませんが、Xbox Series X新機能の一つ、Dynamic Latency Inputは良い。「ゲームのレンダリングパスとコントローラからの入力(タイミング)を同期させることで、低遅延・高速応答させる技術」というインプットデバイスに関するものなので、Windowsにもフィードバックされないかな?と淡い期待を持っています。
AMDファンがPS5とXbox Series Xに期待すること
筆者はAMD贔屓なので最後に。
PC向けリテール商品に一番還元されるジャンルなのでPS5とXbox Series Xは売れてほしいな、と思います。
期待!