低価格AMD CPU vs.Intel CPU記事を紹介します。登場するAMD CPUはRyzen 5 1600AF、Intel CPUはCore i3-9100Fで、Ryzen 5 1600AFに関しては、以前記事にしたZen+コアの1600となり、OPNはYD1600BBAF。
Core i3-9100FはCoffee Lake Refresh世代。SMT(HTT)は実装されていませんがターボ・ブースト・テクノロジーが実装されているCPUです。
同記事は「Ryzen 5 1600AFの記事を書いた際、低価格CPUを買うならこれは良いよ!と結論付けたけれども、Core i3-9100Fのほうが良くね?と言われたから検証するよ(意訳)」という始まり方です。
どこの国でもAMD信者とIntel信者は戦うものなんだな、と古(いにしえ)の某巨大掲示板上の紛争を思い出します。
it’s on a platform that currently supports up to a 16-core/32-thread processor, giving you an amazing path for upgrades years later.
スペック
AMD Ryzen 5 1600AF | Intel Core i3-9100F | |
アーキテクチャ | Zen + | Coffee Lake Refresh |
コア | 6 | 4 |
スレッド | 12 | 4 |
定格クロック | 3.2 GHz | 3.6 GHz |
ブーストクロック | 3.6 GHz | 4.2 GHz |
ブーストクロック(全) | 4.0 GHz | |
L2キャッシュ | 3MB | 1MB |
L3キャッシュ | 16MB | 6MB |
メモリサポート | DDR4-2933 | DDR4-2400 |
TDP | 65W | 65W |
コア数、スレッド数、キャッシュメモリ、対応メモリクロックはRyzen 5 1600AFが上回っていますが、クロックはCore i3-9100Fのほうが上。
TDPは公式表記スペック上は同じ65Wです。
Cinebench R20
Multi Core
まずはマルチコアの結果から。
マルチコアの結果は圧倒的にRyzen 5 1600AFの勝ち。というか結構いい値だしますね。
Single Core
次はシングルコアの結果。
シングルコアの結果はCore i3-9100Fの勝ちですが、Core i3-9100Fが388ポイントに対してRyzen 5 1600AFは373ポイントと近しい数値です。
Ryzen 5 1600AFは第2世代Ryzenと同じ「Zen +」コアのため、オリジナルのRyzen 5 1600より結果が良い点も注目です。ZenからZen +に進化した際、「IPCを改善した」としていたところがきちんと反映されています。
Blender
BlenderのRender Timeもマルチコアの恩恵が強く、半分とはいきませんが、Core i3-9100Fより約45%程高速です。
消費電力
消費電力的にはCore i3-9100Fが圧倒的です。このグラフにあるCPUの中では、Core i5グループの消費電力の低さが印象的。
Ryzenの中では、圧倒的にRyzen 5 3500Xの低さが良い。Zen2コアは優秀です。
Battlefield V
ゲームではIntelのシングルスレッドの速さが生きる場面ですが……。
Core i3-9100Fは、残念ながらRyzen 5 1600AFに届きませんでした。アベレージfpsはまあ良いとして、Min fpsでの落ち込みが気になります。やはりマルチスレッドの弱さがでているのでしょうか?
例として、同記事のFar Cry New Dawn結果コメントを掲載します。結果グラフはリンク先でお確かめください。
Far Cry New Dawn isn’t a CPU demanding game, at least not in the sense that it utilizes core heavy CPUs very well. However, we include this title deliberately as it’s a good example of how some older titles behave with modern processors.
It’s also important to note that while the 9100F is 14% faster than the 1600 AF, the Ryzen 5 processor still allowed for over 60 fps at all times and didn’t suffer from poor frame time performance, the game played very smoothly.
Far Cry New DawnはCPUに負荷をかけるゲームではありませんので、Core i3-9100FがRyzen 5 1600AFより14%ほど高いfpsを出しています。
こういったゲームでは、シングルスレッドのIPCが高いほうがフレームレートを出す、という良い例でしょう。
筆者はIntel CPUの細かい部分が怪しいので、参考にさせていただきました。
個人的な評価は「A+」ランクで決定。かなりゴリ押しで何とかした感は否定できないけれど、結果的には「i3 8100より高性能で低価格」という世代更新に似合う結果を残したので素直に高評価できる。
「低予算ゲーミングPC」を組む上で役立つ、コストパフォーマンス抜群のCPUです。
結論、Ryzen 5 1600AFが良い
techspot記事の結論は「Ryzen 5 1600AFが良いよ」でした。
理由の一つはプラットフォームを挙げています。
ソケットAM4で動かせるRyzen 5 1600AFは、(現状)16コア32スレッドのRyzen 9 3950Xまでアップグレードパスがあります。
翻ってCore i3-9100FのLGA1151プラットフォームは、第9世代Coreで終焉を迎え第10世代CoreのComet Lake-SではLGA1200に変更されるので、アップグレードパスの最終地点は8コア16スレッドのCore i9-9900K, 9900KFで決まり切っています。今後、新製品がでなければ、ですが。
とはいえ、ローエンド帯CPUを購入するユーザーがRyzen 9 3950XやCore i9-9900K, 9900KFの使用に耐えうるマザーボードを利用しているかどうかはクエスチョンマークがつくので、マザーボードも交換しなければいけない気はしますが……ソケットAM4のほうが「余地がある」のは紛れもない事実でしょう。
それ以前にRyzen 5 1600AFは日本で売ってないので、2月22日11時発売のRyzen 5 3500を買ったほうが幸せでしょう。
日本国内向けはRyzen 5 3500
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