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AMD CPU動向を確認してみたい後編 2/2(著者振り返り確認作業)

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AMD Ryzen 7700X

Image via AMD

Intel CPU編に続く本稿はAMD CPU後編です。本サイト(ブログ)の更新期間が開いてしまった期間、著者自身追っていない事が多いため改めて振り返り確認作業をしたいと思い本稿を記します。

前後編の後編となります。

前編はこちらです。

Ryzen 7000レビュー

詳細を追っていなかった時期の著者でさえ最新のIntel Coreシリーズと張る結果、もしくは良い方向の結果、というのは知っていましたが改めてチェック。

X版

AMD Ryzen 7000

Image via ascii

asciiのレビュー3つを並べてみたのですがタイトル煽りすぎのような……というところは置いといて、初見の際、CPUの外見が大きく変わっているところに驚きました。

今(執筆時点)の目で各結果を見てもRyzen 9 7900X、 Ryzen 9 7950Xのマルチスレッドスコアは魅力的の一言。

Ryzen 7000シリーズはコア設計の変更と新規格への対応、さらにはプロセスのシュリンクを同時に行うことでRyzen 5000シリーズを性能で大きく引き離すどころか、ライバルである第12世代Coreに対しても大きなアドバンテージを獲得した。

ascii.jp

asciiのゲームテストでは結果良好に見えますが、海外サイトのレビュー等を総合的にみるとIntel 第13世代Coreシリーズや第12世代Coreシリーズのハイエンドモデルの後塵を拝している場面もあります。

画質を下げるeスポーツスタイルのユーザーには、Ryzen 7000シリーズは強い
今回の検証はGPU負荷の高い状況と低い状況で各CPUがどのようなパフォーマンスを見せるかに注目したが、最高画質設定ではCPUごとの差は見えない状況でも、GPU負荷を下げるとRyzen 7000シリーズが他を圧倒するシーンが多々見られた。

ascii.jp

ゲームタイトル毎の最適化による部分やテストに使うパーツ群によって結果はばらばらになりがちなので、ライバルに対して総合的に五分五分、というのが客観的な見方ではないでしょうか?

Ryzen以前のAMD CPUの過去を知っているならば)ゲームベンチ結果でIntel CPUに対して接戦となるCPUをAMDがリリースし続けていられること自体が素晴らしいことなのかもしれません。

In gaming, Zen 4 can also deliver. At 1080p, the 7700X is the fastest Zen 4 processor for gaming—yes, even faster than the 7950X.

ゲームにおいても、Zen 4は実力を発揮する。1080pの場合、7700Xはゲーム用Zen 4プロセッサーとしては最速であり、7950Xよりも速い。

Gaming performance on Intel is still a tiny bit better than Zen 4, at least with our selection of games, as long as you have an Intel CPU with P-Cores and E-Cores—the P-Core-only Intel 12600 and 12400F in our test group do lose to Zen 4 in gaming. 

Intelのゲーム性能は、PコアとEコアを搭載したIntel CPUを使用している限り、少なくとも私たちが選んだゲームでは、Zen 4よりもまだほんの少し優れています(テストグループのPコアのみのIntel 12600と12400Fは、ゲームではZen 4に負けています)。

www.techpowerup.com

クリエイティブ系ソフトウェア/アプリでのベンチ結果もasciiの記事から。「実力伯仲」という表現を使っていますが、Ryzen 9 7950XとRyzen 9 7900Xに限った話。

クリエイティブ系は物理コア数が多いと有利な場面があるけれど、ゲーム同様、利用するソフトウェア/アプリによって結果はまちまちになるという類のものだと思います。最適化がキーワードという点でもゲームと同じなのでしょう。

Ryzen 9 7950XとRyzen 9 7900Xは、コア・スレッド数の多さでごり押しして無理やり「実力を伯仲させている」イメージ?ですが、Ryzen 7 7700XとRyzen 5 7600Xは総合的に分が悪い。

現時点ではRyzen 9は強いが、スレッド数の少ない下位モデルは……

実力伯仲と言い換えることもできるだろう。長期間マザーボード(ソケット)を使い回せるAMDのエコシステムを取るか、P/Eコアの使い分けによるマルチタスク時のレスポンスに強みのある第13世代Coreの設計のどちらを取るか

ascii.jp

無印版

AMD Ryzen 7700

Image via TechPowerUp

無印版のレビューに関しては「TDP 65W(Max TDP 88W)制限の影響」に興味がありましたので、概要としてわかりやすいグラフを掲載しているasciiの記事をこちらでもピックアップ。

X付き型番とTDP 65W版Ryzenとで消費電力の傾向が全然違う点に注目したい。X付き型番とTDP 65W版Ryzenとで消費電力の傾向が全然違う点に注目したい。

ascii.jp

Ryzen 9 7900、Ryzen 7 7700、Ryzen 5 7600は、コア・スレッド数やキャッシュメモリ搭載量、定格・最大クロックがそれぞれ違いますが、「TDP 65W(Max TDP 88W)」という仕様は共通です。ゲームベンチ中のCPU Package Powerの平均値はそれぞれ差がついていますが、ラトックシステム「RS-WFWATTCH1」を利用して検証されたシステム全体の消費電力グラフにおける数値はおおよそ同一の数値となっている点に注目。

PCケースやCPUクーラー、エアフローなど総合的なシステム全体での扱いやすさという点では低消費電力CPUに利がありますが、他の例に漏れず絶対的なクロックが低い点をどう考えるのか、というところで評価は分かれるかもしれません。

著者個人は扱いやすさにも魅力を感じるので、X型番との価格差がどうかで選択肢としてありだと思いますが、価格差は少ない模様。例えばRyzen 7 7700XとRyzen 7 7700の価格差は本稿執筆時点において約4,000円程度(Amazon調べ)でした。

浪漫もありですが、この差をどう考えるのか?で評価は分かれるのでしょう。

Probably the biggest highlight of the Ryzen 7 7700 is its lowered TDP of 65 W. Due to the way AMD reports TDP, the actual peak power consumption is a little bit higher with 83 W, but it's still a solid improvement over the 135 W that we saw on the 7700X. Compared to Intel's offerings there's a huge difference: the 13700K uses almost three times the power—252 W! Even the 13600K is very power hungry (187 W). The lower TDP helps quite a bit with energy-efficiency. In our multi-threaded testing, the Ryzen 7 7700 is the most energy-efficient processor we've ever tested. In single-threaded it's in second place.

AMDTDPを報告する方法により、実際のピーク消費電力は83Wと少し高めだが、それでも7700Xの135Wよりは確実に向上している。インテルの製品と比較すると、13700Kの消費電力は252Wと、ほぼ3倍の差がある!13600Kでさえ非常に電力を消費する(187W)。低TDPはエネルギー効率にかなり貢献している。マルチスレッドのテストでは、Ryzen 7 7700はこれまでテストした中で最もエネルギー効率の高いプロセッサーです。シングルスレッドでは2位だ。

www.techpowerup.com

asciiの記事を見て感じたのは、Intel CoreシリーズのE+Pコアのシステムはうまくできているな、という点です。ざっくり言うならばPコアで軽い処理をさばいていくのは効率的。Intel Coreシリーズの場合、やはり製造プロセスをなんとかしないといけないんでしょうね。

X3D

Ryzen 9 7950X3D

Ryzen 9 7950X3Dのみ、短期間のレビューだったようでやや消化不良気味ですがasciiの記事をご紹介。

前編

3D V-Cacheは動画エンコードや写真編集などの作業には通常版(Ryzen 7 5800X)に対し、ほとんどアドバンテージがない一方で、ゲームに関しては通常版どころか、第12世代Coreプロセッサーの最上位(Core i9-12900K)をも圧倒する性能を発揮する「こともあった」。

ascii.jp

ベンチ結果云々より、AMDから提供されているドライバとWindowsの設定項目が一番重要な気がします。

AMDから提供されるドライバ「AMD 3D V-Cache Performance Optimizer Driver」によって各CPUコアの負荷や電力効率がOSのタスクスケジューラーに随時フィードバックされる仕様のようです。ゲームをプレイしていると判断された場合、それに適したCPUの挙動をとる、という仕組みです。

AMD 3D V-Cache Performance Optimizer Driverは、チップセットドライバ内に内包されています。また、AMD PPM Provisioning File Driverも3D V-Cacheを有効活用するため重要なドライバとのこと。

AMDドライバダウンロードページ

AMD Chipset Driver

Image via ascii

3D V-Cache Performance Optimizer Driverは「何をもって」ゲームか否かを判断しているのだろうか? それは「Windowsのゲームモードか、Mixed Realityモードが発動すればゲームと判断」している。つまりCPU側で「こういう命令ならばゲームである/ない」かという判断をせずに、ゲームか否かの判断はWindows側に丸投げしているのだ。よってRyzen 9 7950X3D/7900X3D利用時はWindows側のゲームモードを有効にする必要がある

ASCII.jp:3D V-Cache搭載「Ryzen 9 7950X3D」はゲーミングCPUの最高峰に輝くのか?【前編】 (3/5)

また、Windows(OS)側のデータベース的に「これはゲームのプログラムではありません」という判断をされる可能性を考慮し、Xbox Game Barから「これをゲームとして記憶する」にチェックを入れればよいそうです。

他にもWindows側の設定が必要なため、以下の解説は読み込むことをおすすめします。

正しく運用するためのセットアップ手順

後編も同じく消化不良気味にみえますが、ゲームではCore i9-13900Kを「ほぼ完封」した点は高く評価すべきとの表現を使っています。

後編

3D V-Cacheのメリットを活かすためには現状Windowsしかない(Linuxでもゲームモード的な機能とリンクできれば話は別だが)という点ではマイナスだが、現状PCゲームはWindows一強であることを考えれば、うまく既存の機能を使って仕上げたCPUといえるだろう。

ascii.jp

CPU性能はシンプルに高い結果なのですが、Ryzen 9 7950X3Dの仕組み(Ryzen 9 7900X3Dも同じ)がOS側で最適化されていない様子がみえる気がします。

Ryzen 7 7800X3D

Ryzen 9 7950X3DとRyzen 9 7900X3Dの仕組みに関してはasciiの記事に譲りますが、Ryzen 7 7800X3Dの場合、その仕組みがない仕様のCPUです。

Ryzen 7 7800X3Dは、Ryzen 9 7950X3Dから3D V-CacheのないCCD1を取り除いた、“ゲーミングコアのみ”で構成された“ゲーミング全振りCPU”である。物理8コアなのでマルチスレッド性能はRyzen 9 7950X3Dなどよりも劣るものの、コアの使い分けを意識しなくてもよい。

ascii.jp

とはいえゲームパフォーマンス向上を目指すハイエンドセグメント帯CPUのため、最も注目すべきポイントはゲームプレイ時のフレームレート。

Game Tests 1080p

AMD Ryzen 7 7800X3D Review - The Best Gaming CPU - Game Tests 1080p / RTX 4090 | TechPowerUp

Game Tests 1440p

AMD Ryzen 7 7800X3D Review - The Best Gaming CPU - Game Tests 1440p / RTX 4090 | TechPowerUp

Game Tests 4K

AMD Ryzen 7 7800X3D Review - The Best Gaming CPU - Game Tests 4K / RTX 4090 | TechPowerUp

1440p、4kと負荷が高くなるにつれライバルとの差は縮まりますが、トップとは思いませんでした。素晴らしいの一言です。

Ryzen 9 7950X3Dに関してはTechPowerUpの結果も、asciiの記事同様に一歩及ばないようなのでレビュー時の最適化不足等があるのかもしれません。CPUの仕組み的に裏で何か動かしながらゲームする(ゲーム配信等)には良いCPUだと思います。

チップセット

AMDは伝統的に(?)チップセット互換の期間を長めにとる印象がありますが、Ryzen 7000シリーズからは新規となる「AMD 600シリーズ」を採用しています。

Intel CPUのようにLGAスタイルをとったこととDDR5のみ対応、PCIe 5.0のレーンが使える(*1)という点が最大のポイントでしょうか。

*1:型番末尾「E」チップセット + PCI-Express 5.0対応CPUを採用した場合。B650Eはマザーボード側で制限がある場合あり

個人的にはマザーボード一覧を遠目でみた時(例えばAmazonの検索結果等)に見分けがつかなくなりました。型式やチップセット名はもちろん、旧来のリテンションがついているといった見分け方ができると思うのですが、最初は画像大きくしないとわかりませんでした……。

ラインナップ

Image via PC Watch

5種類ありますが、PCIe 5.0対応のE型番を除けば4種類です。

  • X670E
  • X670
  • B650E
  • B650
  • A620

X670EとX670はハイエンド向け、B650EとB650はメインストリーム向け、A620はエントリー向けとなります。

面白い仕様だなと感じたのが、X670とB650のチップ仕様的にはほぼ同じで、X670はB650を2つマザーボードの載せる2チップ構成をとることです。そのためX670の場合、PCIeレーンの最大数やSATA / USBポートといった目につきやすい部分がB650の2倍になっています(*2)。

*2:末尾E型番のチップセットも同様の仕様

A620はX670(E)とB650(E)から遅れてリリースされました。Ryzen 7000シリーズのCPUパワーを使いたいが、コストパフォーマンスも求めたい向きに最適です。ただし対応CPUはTDP 65Wに限られる、としています。

エントリーグレードながら、多くの製品でAMD EXPOによるメモリオーバークロックをサポートし、DDR5で最大6,000MHz駆動が可能。一方でCPUのオーバークロックやPBO(Precision Boost Overdrive)、Curve Optimizerには非対応となる。

A620はTDP 65WのCPU向けチップセットとなるが、ゲーム性能への影響は最小限だとしている。

pc.watch.impress.co.jp

スペック

X670(E)とB650(E)に関しては、パソコン工房のページにわかりやすい表がありますので引用いたします。

AMD Ryzen 7000 シリーズ プロセッサー対応チップセット スペック比較表

AMD Ryzen 7000 シリーズ プロセッサー対応チップセット スペック比較表

X670はPCIeレーン数や各ポート数でB650の2倍になっているのがわかりやすい表となっています。

ストレージを強化したいクリエイター向けPCにはX670が最適でしょう。一方、シンプルにPCを使う場合ならB650を利用したほうがコストパフォーマンスが高いと思います。

エントリー向けとなるA620の場合、CPU直結のPCIe 4.0 x16が1つ(dGPU向け)とPCIe 4.0 x4が1つ(NVMe SSD向け)、合計32レーン、PCIe 5.0は非搭載。USB 3.2 Gen2ポートが最大2つ、USB 3.1 Gen1 / 3.0ポート(5Gbps)が最大2つ、SATA 6Gbpsは最大4つとなります。

 

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