第10世代Coreのデスクトップ版「Comet Lake-S」のF型番(iGPUなし)のラインナップリーク情報を紹介します。
iGPUがないAMD RyzenシリーズがヒットしたことでIntelもiGPUなしのCPUラインナップを拡充していますが、拡充の原因はAMD Ryzenより自分たちの問題らしい……?
The F-series consists of regular SKUs that have the iGPUs disabled due to production line malfunctions, so they practically are Intel's equivalent to AMD's desktop Ryzen CPUs. Their CPU performance should be identical to non-F models, but each iGPU-less processor is expected to be at least US$25 cheaper than the non-F counterparts.
iGPUなしは25USD安い
今回リークされたスライド画像はF型番の価格を示していませんが、第9世代Coreの価格差から判断すると、iGPUありの無印より25USD安いはず。
iGPUなしは……
昨今のIntelは、WSやHEDT向け以外は(Coreシリーズのほとんどに)内臓GPUを入れてきましたが、第9世代Coreより内臓GPUがないF型番をリリースしています。
理由としては、AMD Ryzen(G型番以外のRyzen)がiGPUなしで売れているから、というものかもしれませんが、製造プロセス移行の停滞が最大の理由だろう、という見方が大勢です。
そうでなくてもCoffee Lakeの時点で14nmプロセスの生産に支障をきたしているわけで、これ以上ダイサイズが増えるのはまずい。
加えて言えば、AMDがRyzenシリーズで、メインストリームの上の方~エンスージアスト向けは、GPU非統合でも売れることを実証してしまった(もっと言えば、そもそも初代Core i7はGPU非統合である)わけで、こうなるとGPUを削除すれば10コアにしても、CoffeeLakeよりもややダイサイズを縮小できる。おそらくCore i9とCore i7は、この10コアのダイを利用して製造されることになり、こちらはGPU非統合である。
一方でメインストリーム向けはGPU統合がやはり求められる。そこで6コア+GPUというダイも用意され、こちらはCore i5以下の製品で利用されることになりそうだ。
asciiの記事は2019年11月18日配信なので、それ以前の情報と予想からComet Lake-SのF型番について記しています。
第10世代Coreの製造プロセスは、本来であれば全て10nmであるはずですが、Ice Lakeのみ。そのIce Lakeも十分な出荷を達することすらできていません。そのため、デスクトップ版や普及帯のノートPC向け(特に45W枠)は従来の14nmに留まっています(14nm++)。asciiの記事の通り、iGPUを載せるとダイサイズが増えてしまいコストも跳ね上がってしまいます。
それらの点を踏まえてリークされたFモデルラインナップを見るとIntel頑張っているな、と思わずにいられません。
Comet Lake-SのFシリーズラインナップ
videocardzで掲載されたラインナップが以下です。
Complete Intel Comet Lake desktop F-series lineup with no iGPUs leaks out - NotebookCheck.net News
リークされたスライドには、無印の「iGPUあり」とFシリーズのモデル、「ロック解除」されたK型番と「ロック解除+iGPUなし」のKF型番リストされています。
F型番がないのは、i3(4コア8スレッド)のみ。
注意するところとしては、iGPUありの無印とiGPUなしのF型番のTDPが同じ、というところ。
IntelのTDPは、ベースクロック稼働時の数値とされ、iGPU分は枠から外れています。そのため、F型番の実測消費電力は少なくなると予想されます。